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ウルトラ募集

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吠えろ!ファンダンゴ!!
#83 タイムスリップ



  「このまま梅雨明けが来ないんじゃないか」と思ってしまうほどに、今年の梅雨はハードである。 テレビのニュースは連日、豪雨による各地の被害状況を僕に伝えようと必死になっている。 大変な事である。実際、僕の着替えのパンツも底をついてしまった。「明日は晴れて欲しい」 そんな単純な事を切実に願ってしまう程の今年の七月は、ジメジメしていて、どこか暗く、 何ら先の見えないような絶望感さえ感じさせる。それに輪をかけるように、私生活や仕事に至っても冴えたところがない。 「このまま、このトンネルの中で倒れてしまうのではないか」一瞬そんな気持ちにもなったが、 そうは問屋が卸さない。ある梅雨晴れの日に、素晴らしいライブを見た。「ああ、生きてて良かった」 そんな感想を恥ずかし気もなく、ストレートに言えるようなライブであった。 これを切っ掛けに、僕は一気にトンネルを抜ける事が出来た。余りにも嬉しすぎて、その日は夜更けまで飲んだ。 「このまま朝なんて来なくていいんじゃないか」とさえ思ったが、朝は土足でやってくる。

朝方、ようやく自宅に辿り着いたが、このまま眠ってしまうのが勿体無くなって、 何故か鼻歌を奏でながらローリングストーンズの本を眺めていた。その流れからか、 ストーンズの「アンダーカバー」というアルバムが聞きたくなり、そのレコードを手に取ったまではよかったが、 そのまま眠りについてしまった。浅い眠りだったのだろうか。「昨晩見たライブの素晴らしさを誰かに伝えたい」僕は夢の中で、 ずっとそんな事を考えていた。「誰かに伝えなければ」僕は自転車に乗って、友達の家を一軒一軒回ってみた。 しかし、誰も居ない。「みんな何処へ行ってしまったのだろうか」僕は自転車のペダルを必死に漕いで、 何度も町中を捜し回ったが、友達は誰も見当たらなかった。「この楽しかった出来事を誰かに伝えたかったのに」 ついに一人になってしまった。そんな、何とも言えぬ寂しさと不安が僕を襲う。そんな時、ふと思い出した。 「そうや、みんな、あそこで集まってるんや」僕らは当時、府営住宅の2階の一室を溜まり場にしていた。 僕は急いで自転車を漕ぎ、その府営住宅に向かった。そこに到着すると、そっと自転車を押して府営住宅の裏手に回って、 2階304号室の電気が付いているかを確認した。電気は付いていた。たくさんの人影も見えた。 「なんや、全員ここに居ったんかあ」そう安心した瞬間に、目が覚めてしまったのだった。

そこには、昨晩のライブの最高さを誰にも伝える事が出来ずに、ストーンズのレコードを握りながら 横たわっている自分の姿があった。「全て夢だったのか」そう思った瞬間に、何故だか涙を落としそうになった。 僕は昨晩の興奮を昔の仲間に伝えたくて、20年の時をさかのぼり、必死に自転車を漕いでいたのだ。 実は昨年、府営住宅に集まって遊んでいた頃の仲間を一人事故で失っている。あれから、ちょうど一年になる。 彼が僕を呼んだのか、僕が彼を呼んだのかは分からない。しばらくは、夢と現実、現在と過去、 それが入り交じった時間の中で、訳が分からずにモヤモヤしている自分がいたのだが、その答を見つける為、 次の休日に、もう2度と訪れる事がないと思っていた、あの府営住宅に足を運ぼうと決めた。

その日も朝から雨が降っていた。僕はとりあえず府営住宅の裏手に回ってみた。304号室に電気は灯って いなかったし、人影もなかった。そして次は、正面に回り、階段を昇って、玄関の前に立ってみた。 20年前の色々な思い出が蘇ってくる。僕はこの階段を何回昇り降りしたのだろうか。 僕はこのドアを何回開けたのだろうか。今にも誰かが出てきそうな雰囲気がするが、郵便受けには転居という 大きなテープが貼られていた。雨が激しくなってきたので、そろそろ帰ろうとした時、 ドアノブの中央の所に何か模様があるのが見えたので、じっくり見てみるとストーンズのベロのマークだった。 それは正しく、ストーンズのアルバム「アンダーカバー」購入時に特典として付けられていたステッカーである。 結局、今回の件は、彼が僕を呼んだのでも、僕が彼を呼んだのでもなく、お互いが呼び合っていたのだろう。 僕は豪雨の中、何とも言えない気持ちになりながら、駅までの道をトボトボと歩いた。 そして、駅に着いてから、昔みんなでよく食べたスガキヤのラーメンを食べながら、僕はあの夢の中で伝えられなかった事を、 伝える事が出来たような気持ちになっていることに気付いた。
(写真 ロックスター”菊”大先輩と俺/文 加藤鶴一)

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