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霧の高野山にて、YHFCのメンバーと |
| ※ファンダンゴでは、各日のチケットの電話予約・E-mail予約を 受け付けています。お気軽にお問合せ下さい |
ファンダンゴはライブハウスである。ただライブハウスと言っても色々とあり、それこそ個々のライブハウスの主張や経営方針に よって、形態は様々で、色とりどりである。今や大阪でもそこら中にライブハウスが点在し、それらが日々競合している訳なので、 よっぽど知恵を絞らなければ、生き残れないのではないか。 そんな中で、今年の秋には23才を迎えてしまうファンダンゴとは、 どんな性格のライブハウスなのだろうか?僕らはしっかり自己主張出来ているのか?ここには何ら新鮮なものが存在しているのか? なかなか内側からは見え難いものである。 ライブハウスが今よりも多くなかった少し昔なら話は変わってくるが、 特に出演希望者の激減を目の当たりにしてしまっている昨今、こういう事を考えたりしてしまう。不況、不況と世間が騒ぎ、 ライブハウスにもお客さんが来なくなったと言われているが、そんな不況の時代に必要とされるのが、音楽やライブであると 思っている。じゃあ、何が足らないのか。 今や家で寝転がりながら携帯をいじっているだけで、簡単に遊びが手に入る世の中だ 。こんな御時世にわざわざ足を運ばせて、お金を払わせて、更に満足させるには、そこによっぽどの魅力がない限り通用しない であろう。 そんな事を考えていると、果たして自分自身は楽しめているのかという疑問が湧いてきた。自分が楽しくもないのに、 人に楽しみを与える事なんて出来ないのではないだろうか。ただ、楽しいは楽しい。 しかし、それだけで、 そこにはこれといった刺激もなく欲望もなく意味もなく、 日々の生活を何となくこなしている自分が居た。 そんな人間に人が求めている物を、しっかり提示する事が出来るのだろうか。 僕がここファンダンゴで働いてから20年ちょっとになる。振り返ってみると、 あらゆる刺激を求め続けた最初の10年、 何とか存続していく為に動いていた次の10年、それこそ刺激的な20年だったように思う。問題はその後だ。 何とか20年持ちこたえて、それにすっかり安心してしまったのだろうか。 20周年を終えてからの2年余り、 公私共に何の刺激もない時間を過ごしていたような気がする。ライブハウスの仕事は油断してしまうと単調になってしまう。 他の人はどうか知らないが、産まれ持ってのナマケモノである僕の場合は、特に油断出来ないタイプである。 朝起きて、買い物に行って、飯食って、電車に乗って、店に入って、仕事をこなして、打ち上げで飲んで、帰って寝る。 そんな事を繰り返し、休みの日は休みの日で、自分の殻に閉じこもって、一日中気に入った銭湯で寝ぼけている。 これでは、ダメなサラリーマンと一緒じゃないか。こんな単調な生活から面白い物なんて生まれる訳がない。 じゃあ、どうすればいいのか。 このダメなサイクルから抜け出すしか方法はないのだ。それこそ、 がむしゃらに刺激を求めていた10代の頃のように刺激を求めて街中をうろつくしかないのではなかろうか。 街は昔も今もネタの宝庫だ。自分の頭で、自分の足で、忘れかけていた刺激や衝撃を探す旅に出るのだ。 それによって、何が変わるのかは分からないが、この単調な生活の繰り返しで、すっかり変な風に固まってしまった 脳みそが活性して、日々が今よりも楽しくなったり、もう少し頭が良くなるかも知れない。 そんな充実感や期待感みたいなものが、今の僕には大切なのではないのだろうか。 そんな事を意識しだした昨年の暮れから、僕は動き出した。大切な睡眠時間や大好きな銭湯通いを減らし、動き出した。 まるで深い眠りから覚めたライオンのように。人にお薦めの本を借りまくっているし、映画を見る為にTSUTAYAの会員になったし、 神社仏閣もバリバリ行ってるし、平気で一日中歩くようになったし、他のライブハウスにも遊びに行くし、映画館にも行くし、 大衆演劇も見てるし、落語も行くし、十三を盛り上げるグループの会合にも参加してるし、 大阪ロックデイ(4/17,4/18開催@サンホール)という大阪をもっと面白くしようというイベントの実行委員にも参加してるし、 YHFC(店頭配付スケジュール裏面参照)というグループにも入ったし、忙しくて忙しくて仕方ない。 でも、楽しい。楽しいって思えるだけで最高だ。今まで接する事のなかった人達と話す機会も増えたし、 今まで観た事のなかった物を観る事も出来ているし、何かと刺激的な日々を送っているつもりだ。そういう意識で生活していると、 色んな物が転がり込んで来るものでもある。それによって、今すぐ何が変わるはずもないのだが、いつの日か、 今感じている事を何らかの形にして、ファンダンゴで表現出来れば、それでいいと思っている。 先日、春のような陽気に誘われて、近所のスーパー銭湯に行ってきた。 二日酔いだった僕は、日光に照らされながら、 ゆっくりと露天風呂に浸かっていた。余りにも気持ちがいいので、目を閉じて考え事をしていると、いつの間にか眠ってしまっていた。 何時間位眠っていたのだろうか。僕は夢を見ていた。 大草原を気持ちよく歩いていると、向こうの方で女性が叫んでいる。 知り合いでもないので、最初は知らん顔をしていたが、余りにもしつこく呼び掛けてくるので、彼女の言っている事に耳を 必死に傾けてみるが、なかなか聞き取れない。 僕はすっかり諦めて、その場を立ち去ろうとした瞬間、 「お客さま!お客さま!」、 彼女の叫んでいる言葉がハッキリ聞こえた。 その瞬間、僕はハッと目を覚ました。全身が痺れていた。気が付くと、 3人の銭湯スタッフの方々が心配そうな顔をして、僕を囲んでいた。 「大丈夫ですか?長時間同じ姿勢でおられるので、 気を失ってられるのかと思って・・」 「いやあ、考え事をしていただけですよ。」 僕は命の恩人に嘘をついてしまった上に、 何のお礼も言う事もせず、痺れた足を引きづりながら、足早にその場を去ってしまった。 「春眠暁を覚えず」という諺があるが、 もうすぐ春が来るんだなあ。 |
| (文:加藤鶴一) |
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