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バンド募集

20th本

ウルトラ募集

CASETTE
1983年発表「サンハウス/クレージーダイアモンズ」。
現在はCD2枚組で発売中。強烈なライブ盤です!

※ファンダンゴでは、各日のチケットの電話予約・E-mail予約を
受け付けています。お気軽にお問合せ下さい


吠えろ!ファンダンゴ!!
#129 地獄へドライブ



先日、ミナミのビッグキャットで「サンハウス」というバンドのライブを見た。サンハウスは1978年に解散しており、 過去に数回だけ再結成したものの、今回のライブはデビュー35周年という大きな記念的な 再結成である。
メンバーには「Zi:LiE-YA」というバンドで、ファンダンゴにも出演して下さっている 「柴山俊之」さんや、「鮎川誠」さんがいる。僕が高校生の頃に必死で聞きまくっていたバンドの一つで、 ありそうでない独特のロックンロールやブルースを演奏しており、僕はその妖しさや 存在感や不良性に憧れていた。
当時既に解散はしていたが、僕らは彼らの83年再結成時の ライブ収録盤である「クレイジーダイアモンズ」というカセットテープを宝物のようにして 毎日聞いていた。先日のライブ中、懐かしの名曲を聞きながら、ふと目を閉じると、 当時の思い出が蘇ってきた。

今から25年ほど前、僕は家の近所にある自動車教習所に通っていた。地域でも、教官が鬼のように 怖い教習所とか、日本一古い車を使ってる教習所やら、悪名高い教習所だったが、 僕は家から最も近いという理由から、その教習所に通う事に決めたのだった。学校が終わってから、 アルバイトが終わってから、僕は一日でも早く免許証を取得する為に、 何故か山の中腹にある教習所まで、寝る間を惜しんで通っていた。雨の日も、風の日も。
ある時は「お前なんかに、車を運転する資格なんかあるかあ!外に出ろ!」と怒鳴られ、 ある時は「お前、喧嘩売ってんのか!外に出ろ!」と怒鳴られ、みんなが車の中で教官と 楽しそうに話しながら走っている道路の脇に立たされて、よく説教されたものだ。 僕を担当している教官は僕の事を完全に嫌っていた。僕は自分の背負ってしまった不運を恨みながらも、 我慢に我慢を積み重ねた。早く免許を取って、ここから抜け出して、自由になるんだ。
その一心でようやく辿り着いた路上研修最後の卒業試験前夜、僕は友達とサンハウスの 「地獄へドライブ」という曲を大音量で聞きながら、免許証取得後の熱い思いを語り合った。 試験当日、やっぱり僕の卒業試験を見極めるのは、いつもの鬼教官だった。
後部座席には、試験を次に控えた可愛らしい女の子が二人座っている。教官は後部座席の女の子に 「こいつの運転見てても参考になれへんで。景色見ときや!」等と、この期に及んでも減らず口を 叩いている。女の子は女の子でクスクスと笑っている。車は走り出した。自由への旅路を。 この日は意外と調子が良かった。教官も「あ~眠たあ!」と言った以外は、何も注意しない。 後部座席の女の子も、僕の運転に関心してる模様だ。「右よし、左よし、巻き込みよし!」 人通りの多い交差点もまるでタクシーの運転手のようなハンドルさばきで切り抜けた。 教習所に帰る途中の坂道での信号待ちも、見事な坂道発進で切り抜けた。
さあ、教習所にも無事戻って来れた。ゴールは近い。と安心した瞬間だった。 最後から2つ目の信号待ちで、僕の左足がガタガタと音を立てて震えだした。
最初は小刻みだったのが、だんだんと大きくなり、最後は地団駄を踏んでるかのように バタバタしだした。
「おい!何してんねん!足止めんかい!」教官が叫ぶ。
「先生、止まらないんです!止めて下さい!」僕も叫ぶ。
「止めろって、お前の足やろうが!」 「止まらないんですよ!」
結局、クラッチをしっかり踏み込めなくなった僕の車は、 それから何度となくエンストを繰り返しながら、ようやくゴールに辿り着いた。

あの不思議で恥ずかしく苦い経験を乗り越え、何とか2度目の卒業試験で免許証を取得する事が 出来た僕は、自分の車を持ってなかったので、近所に住んでいる親戚の叔母ちゃんのカローラを たまに借りてはドライブしていた。一人でもようやく運転できるようになった頃、 僕は当時好きだった女の子を誘う事にした。夏も近づいた6月の午後、僕はK子ちゃんを 乗せて走っている。晴天ではないが、心地の良い昼下がりである。生暖かい風が開けっ放しの 窓から窓へ吹き抜けていく。彼女と僕との会話も絶好調で、僕らのカローラも絶好調。 こんな幸せな時間がいつまでも続けばいいのになあと思っていると、彼女が僕に 「何か音楽聞こうや!」と横で呟いた。ついにこの時が来た。僕はダッシュボードから、 この日の為に用意しておいたサンハウスのクレイジーダイアモンズを急いで取り出して、 カセットデッキに突っ込んだ。3曲、4曲と進んで行くうちに、僕のロックのボルテージは 最高潮に達し、ちらっと彼女の方を見ると彼女も足でリズムを取っているので、 すっかりサンハウスを気に入ってくれているのだと思い込んでいた。
「これ知ってる?カッコええやろ。ギターは鮎川やで!」
「ふ~ん」
それがどうした的な素っ気ない彼女の反応にも負ける事なく、 僕はカローラのカセットデッキから大音量で流れるサンハウスを聞きながら、 車を走らせている。「うわっ、こんなとこにケンタッキー出来てる!!」「はぁ~」 こんな感じで、僕の発言は悲しき一方通行を繰り返し始めた。 最初はあんなにはしゃいでいた彼女なのに、だんだんと顔色が曇ってきたのがよく分かった。 それからは、僕の口数もすっかり少なくなってしまって、次第に会話もなくなり、 ただサンハウスの毒々しい音だけが車内の空気を占領してしまっていた。 いつの間にか雨も降り出して、すっかり行き場をなくしてしまった僕は、 彼女に「そろそろ帰ろか。」と伝えた。
すると彼女は「ちょっと、止めて!」 と強い口調で返してくる。急いで車を止めると彼女はカローラのドアを急いで開けて、 外に飛び出した。
「ウェッ、ウェッ、ウエッ~~」降りしきる雨の中で、 彼女は嘔吐を繰り返している。一人車に取り残された僕は、彼女の背中をさすって 介抱する事も出来ずに、
車のフロントガラスで奇妙な音をたてて淡々と動き続ける 二本のワイパーを眺めていた。結局、彼女とはそれっきりだった。

あの6月の午後、何が僕らを引き裂いたのだろうか。僕の運転の未熟さだったのか。 それともサンハウスの強烈なサウンドだったのか。僕は今回のサンハウスの公演を見て、 はっきり答が分かったような気がする。絶対にサンハウスが原因だったんだ。 あれから25年、あの教習所はなくなってしまい、叔母ちゃんのカローラもとっくの 昔に廃車になり、夜な夜なサンハウスを聞きながら熱く語り合った友達も一人去り二人去り、 雨の中で涙を流しながら嘔吐を繰り返していた可哀想な彼女も音信不通で、 挙げ句の果てには、死ぬ気で取得した免許書さえ失ってしまった。
そんな僕は今だに一人で、行く宛のないドライブを続けているのかも知れない。
(文:加藤鶴一)

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