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バンド募集

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tikan
『ファンダンゴも痴漢を許しません!!』

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吠えろ!ファンダンゴ!!
#141 チカンはアカン!



最終電車、いわゆる終電。そこには常に危険が付きまとっている。
乗り越し、喧嘩、スリ、痴漢。 特に酔っぱらいの比率が非常に高い終電では、
そんな危険と隣り合わせである。 だから、いくら酔っぱらっているとは言えど、
一瞬たりとも油断してはならない。 そんな事は誰でも分かっている事かも知れないが、酔っぱらった人間は自分に 甘くなってしまうので、そんな簡単な事さえ忘れてしまうものである。
ある時は、 降りなければならない駅を乗り過ごしてしまい、見知らぬ土地で途方に暮れる。 ある時は、降りなければならない駅を乗り過ごしてしまい、カバンやサイフや服や靴を 失ってしまっている。
ある時は、降りなければならない駅を乗り過ごすどころか、 カッコいい特急電車に乗ってしまい、九州や北陸や南紀の方まであてのない旅に出てしまう。
ある時は・・・。そんな感じで、終電にまつわる物語は、誰の心の中にも一つや
二つは 存在するものである。

その日も、僕は最終電車に揺られていた。いつものように酔っぱらっている。
しかし、今まで何度も何度も苦い汁を飲まされた経験を持つ僕は、決して気を緩めない。 僕は眠ってしまわないように、読みかけの本をカバンから取り出して、ページをめくっていた。 数人の乗客しかいない車内には、ガタンゴトンというリズムだけが、静かに鳴り響いている。 この心地よいリズムに呑まれてしまってはいけないと自分に言い聞かせ、僕は必死に 本を読んでいた。向いのシートでは女の子が一人眠っている。よっぽど疲れているのであろう。 眼鏡をずらし、更に口まで大きく開けて、空を仰ぐ恰好で眠っている。
各駅停車のこの電車は、駅に到着する度に一人降り二人降りして、だんだんと乗客が 減っていくのだが、この日は珍しく4つ目の寂れた駅で、作業着姿の男が一人乗ってきた。 20代後半といった感じのその男は、何の躊躇もなく僕の向いのシートでぐっすり眠っている 女の子にぴったりと寄り添う感じで座った。
ちょっと異様な感じがしたのだが、 恋人同士が終電で待ち合わせていたのだろうと思った僕は、再び本に目を移した。 僕の降りる駅は11番目の駅なので、あと7駅もある。まだ道中の半分も来ていないので、 まだまだ気を抜く事は出来ない。
僕は眠ってしまわぬようギンギンに目を開いて、 必死に本の文字を追っていた。6つ目の駅を過ぎたあたりで、ボソボソと向い側から 話し声が聞こえてきた。最初は、女の子が目を覚まして、終電で落ち合った恋人同士が 甘い会話を始めたのかと思ったが、ちょっと様子がおかしい。どうやら言い争いを しているようである。
女の子は確実に怒っている。もしかして、これが噂の痴漢なのか? あのテレビ番組等でたまに見かける痴漢なのか?この場合、僕はどういう行動に出れば いいのだろうか。最近よくニュース等で取り上げられている痴漢えん罪というパターンも 考えられる。しかし、そんな悠長な事を考えている場合じゃない。 いつも考え過ぎて後悔してきたんじゃないのか。僕は自分自身が急激に熱くなるのを感じた。

「痴漢ですか?」僕は他の乗客にも聞こえるような大きな声を出して、女の子に聞いた。 女の子は小さな声で「痴漢です。」と恥ずかしそうに答えた。僕は読んでいた本と 持っていたカバンをシートに放り投げ、勢いよく立ち上がり、男の前に立ちはだかった。 男は怯えた目で「俺はやってない。」と訴えてきたが、そんな事はおかまいなしに、 僕は男を取り押さえた。
ようやく7つ目の駅に着き、プシューという音とともに電車の ドアが開いた。
僕は、僕が痴漢を捕獲している事が車掌さんや駅員さんにも連絡が いっているものだと思い込んでいたので、痴漢を捕獲したまま駅のホームに降りて、 駅員さんが走って来てくれるのを待つ事にした。しかし、待てども待てども、 誰一人として走って来ない。それどころか、無情にも電車の扉がプシューという音を たてて閉まりかけた。よく見ると、被害者の女の子も僕の本もカバンも電車の中である。
このままでは、痴漢と二人っきりでホームに残されてしまう。それでは全く意味が ないじゃないか。焦った僕は、咄嗟の判断で、電車のドアに足をはさんだ。 痴漢はまだ捕まえている。電車のドアは開いたり閉まったりして、早く発車させろと僕を煽っている。 これはもう一度痴漢を電車の中に引きづり込むしかないと思った瞬間、 痴漢は僕の腕を払いのけて、ホームを全速力で走って行った。
電車のドアに体半分を 挟まれた状態の僕は、追いかけて行けない悔しさもあり、
全力で逃げて行く痴漢の背中と 電車を降りてゆっくり歩いている人達と改札口にいる駅員に向かって、 「痴漢や!痴漢や!痴漢やぞ!捕まえろ!」と大声で叫び続けた。
諦めた僕が車内に戻ると、 プシューとドアが閉まり、電車はまるで何もなかったかのようにゆっくりと走り出した。 車内はシーンと静まり返っている。さっきまでの出来事がまるで嘘のように、 車内は静まり返っている。車内にはガタンゴトンというリズムだけが響いていた。
これでは、まるで酔っぱらいが喧嘩をして、電車の出発を遅らせて、 挙げ句の果てに大声で訳の分からない事を叫んでいたとしか思われてないんじゃないか。
そう考えると、恥ずかしくて顔を上げる事も出来ず、さっきまで読んでいた本を読む事にした。 しかし、さっき起こった一連の出来事が頭の中を渦巻いていて、本など読めるはずもなく、 結局うつむいているのが精一杯だった。
そこには、被害者の女の子が気を使ってくれて 「すいませんでした。」と言ってくれたのに、優しい言葉の一つもかける事が 出来なかった自分が、車内にポツンと残されているだけだった。

あの時、痴漢を捕まえた事は正しかったのだろうか。最後は取り逃がしてしまったので、 やっぱり何の意味もなかったのだろうか。
自分の中では世紀の大捕物劇のつもりが、 結局は電車の中の片隅で起こったほんの小さな出来事にすぎなかったのだ。 車掌さんも駅員さんもその時車内にいたほぼ全員が、気付かない些細な出来事だったのだ。
この世紀の大捕物劇は、僕と痴漢と女の子の3人の中だけに起こった出来事だったのだ。 今でも終電に乗る度にあの痴漢を捜しているが、あれ以来出会っていない。 あれほどビビッていた終電なのに、今では眠ってしまうどころか、目をギラギラに輝かせて、 痴漢を捜している。気分は鉄道公安官だ。いつか絶対に捕まえて、あの時の僕の恥ずかしさを 思い知らせてやるのだ。
ここだけの話ですが、実はあの痴漢が勤めている会社を 僕は知っているのです。
揉み合った時に、作業着のポケットから会社のネームプレートが
チラッと見えたのだ。さすがは終電の鉄道公安官。僕の捜査はまだまだ続く。
皆さん、くれぐれも最終電車にはご注意下さい。


*東日本大震災義援金に関して*
5/11(水)に義援金として ¥ 40,111を日本赤十字社大阪支部に寄付いたしました。
内訳:5/9(月)チャリティーイベント入場料(¥ 29,000)
   ファンダンゴ内常設募金箱(¥ 11,111)
(文:加藤鶴一)

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