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バンド募集

20th本

ウルトラ募集

brother
『弟よ。僕と君とが2ショットで写っている写真は
何枚か出てきたけれど、 全ての写真がこんな感じなんだよなあ。
結局、この写真を選んだよ。』

※ファンダンゴでは、各日のチケットの電話予約・E-mail予約を
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吠えろ!ファンダンゴ!!
#142 弟よ



ガッシャーン!バリバリ!ガッシャーン!ドッカーン!僕が鼻歌を歌いながら浴槽に浸かっていると、 いきなりバットを振り回しながら、風呂場のガラス戸を打ち破って、弟が風呂場に侵入してきた。 何が起こったか全く分からなかった僕は、咄嗟に風呂フタをかぶって浴槽に沈んで身を屈めた。そして、 とりあえず必死に謝り続けた。「ごめん!ごめん!もうせえへんから許してくれ!」弟はそんな事など お構いなしに、訳の分からぬ事を絶叫しながら、風呂フタの上からバットで僕を叩き続けている。ベッチン! ベッチン!ベッチン!「痛い!痛い!痛い!」執拗なまでの弟の攻撃はしばらくの間終わる事はなかった。 ようやく弟の興奮が収まったと思われた頃、風呂フタをゆっくりめくって顔を出してみると、そこには 血走った目から涙を流している弟の姿があった。弟は持っていたバットをゆっくりと僕の顔面に突きつけて 言った。「お前!俺の金、盗んだやろ!今度やったら殺すからな。覚えとけよ。」 僕は「借りただけやんけ。」と言い返したが、そんな言い訳など全く通じるどころか、またバットを 振り上げようとしたので、バットを持つ弟の手を握って本気で謝りたおした。 「嘘。嘘。もう絶対せえへんし、お金も絶対返すから。ホンマにゴメン。」お金を倍にして返す事と 飛び散ったガラス戸の破片を片付ける事を条件に、その事件は何とか治まったのだった。 中学2年の夏の出来事である。

当時、僕らの間でゲームセンターが流行っていた。ただお金のなかった僕らは、ゲームセンターで遊べたと しても知れていて、ほとんどの場合は人が興じているのを見てるだけの事が多かった。何でも同じだが、 やればやる程に上手になるもので、見ているだけでは上手くはならない。なので、ゲームセンターで同じ 100円を使うとしても、上手と下手では、その価値が全く違うものになる。ゲームが一向に上手くならない 僕は、友達と同じゲームをしているのに、常に損をしている気分が付きまとっていた。それを打破する為には もっともっとゲームセンターに通って、ゲームをしなければならない。しかし、ゲームをする為にはお金が 必要である。そのお金をどうやって調達するかを考えていた時、真っ先に浮かんできたのが弟の顔だった。

小さい頃から人1倍お金に執着のあった弟は、僕とは違ってコツコツとお金を貯める人間だった。僕がお金を 貸してくれと言っても、よっぽど機嫌のいい時にしか貸してくれない。ようやく借りれた場合でも、利子を つけて返せと言う。それが原因で何度も壮絶な喧嘩に発展した事もあった。ある時に何を思ったのか、そんな 弟が今までコツコツ貯めていたお金を50円玉に両替して来ては、その50円玉を自分の本棚に釘で 打ち付け始めた。50円玉の中央の穴の空いた部分に釘をセットして、それを金槌でコンコンコンと器用に 打ち付けていくのだ。「お前、何やってんねん?」と僕が聞くと、弟は金槌片手に「こうしたら、貯金箱も いらんし、見た目もカッコええやんけ!」と自慢気に答える。何がカッコいいのか、さっぱり理解できない 僕を尻目に、弟は毎日毎日コツコツと50円玉を打ち続けていた。それから数日経った頃、弟の本棚は すっかり銀色に染まっていた。横から見ると、まるでジュラルミンケースのように光っている。僕がそれを 見ていると、弟が横に来て「カッコええやろ!お前、絶対マネするなよ!」と言った。その時、僕の弟は 何故こんなにもアホなのかと思ったが、それは口に出さずにいた。何故なら僕の心の中で悪い心が 芽生えていたからだ。

その日も弟の本棚は銀色に光っていた。僕は釘抜きを片手に考えている。どこの50円玉を抜けば、 バレないのだろうか。まずは本棚側面の下の方から抜いてみた。以外と簡単に抜けるものだ。次は逆の側面の 下の方を抜いてみた。これも簡単に抜けた。わずか数分で作業は完了し、僕は抜き取った2枚の50円玉を ポケットに入れ、2本の釘を自分の机の引き出しの奥に仕舞った。それからすぐに50円玉2枚を 握りしめて、近所のゲームセンターに走った。ゲームセンターは若者の活気と熱気でギラギラしていた。 僕はすぐに当時夢中になっていたゲーム機に座わり、お金を投入してゲームをスタートさせた。やはり 面白くて面白くて仕方なかった。それに味を占めた僕は、弟のいない隙を見計らって、たびたび本棚から 50円玉を抜いては、ゲームセンターに足を運んでいた。そして、机の引き出しに隠している釘が20本を 超えた頃に、あの風呂場での大事件が起こったのだった。

弟よ、君が怒ると本当に怖いという事は、僕が世界で一番よく知っていたんだよ。小学3年生の頃、僕が 君の事をちょっと無視しただけで、美味しそうにプリンを食べている僕の口元を狙って野球の軟球を力一杯 投げつけてきたね。見事に命中したので君は大げさに喜んでいたけれど、僕は口中血だらけして泣き叫んで いたんだよ。その後、手術までしたのを覚えているか?小学5年生の時、君に算数の宿題を教えてくれと 言われて、その言い方や態度があまりにも悪かったので、僕は断ったよね。その瞬間、君は台所から包丁を 持って来て「お前!宿題教えろ!教えな、殺したる!」と泣き叫びながら、僕を追いかけ回したのを覚えて いるか?あの後、ブルブル震えながら、君に宿題を教えた事は死ぬまで忘れる事が出来ないだろう。 あとまだまだ数えられない程の事件があったね。それなのに、君の大切にしていた50円玉を盗んだりして、 本当にあの頃の僕は浅はかだったと思っているよ。ただ、中学2年生の僕はそんな君の怖さよりも何よりも、 ゲームセンターに夢中だったんだ。

あれから30年。今年で43歳になる弟は、妻と子を養いながら、バリバリ元気で働いている。弟が20歳を 超えてからの僕らは喧嘩もしなくなった。それどころか、あれだけ怖かった弟が会う度会う度優しくなって きているように感じる。つい先日、一緒に飲む機会があって、50円玉事件の話をしたのだが、50円玉を 本棚に打ち込んでいた事は覚えていたが、バットで僕を襲った事は一切覚えていなかった。弟は昔から そうだった。自分に都合のいい事は細かい事まで覚えているのに、自分に都合の悪い事はすぐに忘れて しまうのだ。本当に調子のいい人間である。弟よ、いつまでもお元気で。 (文/加藤鶴一)


*東日本大震災義援金に関して*
6/20(月)のチャリティーイベントで ¥ 80000の義援金が集まりました。
尚、この義援金の寄付先に関しては来月報告いたします。
内訳:6/20(月)チャリティーイベント入場料(¥ 1000×80名)
   ファンダンゴ内常設募金箱(来月精算いたします。)
(文:加藤鶴一)

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