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バンド募集

20th本

ウルトラ募集

TSUKAMOTO FES
『塚本神社夏祭り夜の1コマ/十三の隣町である塚本駅前にて』

※ファンダンゴでは、各日のチケットの電話予約・E-mail予約を
受け付けています。お気軽にお問合せ下さい


吠えろ!ファンダンゴ!!
#143 祭りの後の寂しさよ



昨日、突如と現れた季節外れの巨大台風は、朝になる頃にはどこやらに行ってしまったようだ。昨晩、 大騒ぎした割にはあっさりしたもので、今ではまるで何も無かったかのように、時はいつもの感じで流れて いる。倒れている自転車、飛ばされてしまった商店街のノボリ、たまに吹きつける湿った風、ただそんなもの だけが去ってしまった台風の片鱗を伺わせている。
僕は今、JR塚本駅からファンダンゴに向かって歩いて いる。いつも歩いている道なのだが、何か今日は様子が違う。塚本神社の手前に差し掛かる路地から先に 多くのテキ屋が軒を並べている。そういえば今日は塚本神社の夏祭りだったのだ。
7月に入った頃から毎日 毎日、放課後の子供達が神社の近所の民家に集まって、
大人の指導を受けながら地車に乗って太鼓の練習を していた。その本番が今日なのだ。祭りと聞けば心が躍るもので、僕は祭り囃子が鳴り響いている塚本神社の 中を覗いてみた。神社の境内には、大きな地車が1台置いてあり、その上では浴衣を着た子供達が本番前の 練習を繰り返している。僕が近づくと、子供達は演奏を止めて、何故か僕に挨拶をしてきた。
「こんにちわ!」僕がそれに笑顔で答えていると、子供達は更に「今日はヨロシクお願いします!」と、頭を 下げてきた。僕は何の事か分からずに、ただ笑っていた。すると、その地車のリーダーらしき子供が寄って きて、僕に言ってくれた。「何々君のお父さんですよね。何々君はどこどこに行っていて、今いないんです が、もうすぐ戻ってくると思います。」僕は何々君のお父さんでは絶対にないので、どのように答えようかと 考えてはみたが、子供の夢を潰したくはないので、
何々君のお父さんになりきって「そうか。分かった。 今日は頑張りや。楽しみにしてるで!」とだけ答えて、祭り囃子が鳴り響く塚本神社を逃げるように後に した。昔からの伝統が受け継がれている祭りはやはりいいものである。僕はいわゆるニュータウンと呼ばれる 町で育ったので、夏祭りと言っても地車を曵ける訳でもなく、太鼓を叩ける訳でもなく、笛を吹ける訳でも なかった。
僕らの町の夏祭りは近所の空き地に櫓を組んで、河内音頭を楽しむ程度のものだったが、数は 少なかったものの夜店も出て、それなりに祭り気分は楽しめたものである。

高校生になった僕らは初めての夏休みを迎えた。小中学校を共に過ごしてきた仲間も、高校生になれば 散り散りバラバラになるもので、何だかそれに寂しさを感じていた僕らは、夏祭りの日に久しぶりに男友達 だけで集まる事にした。密かに僕はその日を楽しみにしていた。久しぶりに会う友達に、高校生になって少し 成長した自分を見せるチャンスだからである。僕は色々と企んでいた。アルバイトで貯めたお金を計算して、 その日はお金をどれだけ持っていこうとか、ビールを買って飲もうとか、タバコを吸おうとか、幼稚な発想 ではあるが心は踊っていた。その日の為に新しいシャツも買った。「そしたら明日6時に現地で集合 しようぜ!」
前日の夜、友達から最終確認の電話がかかってきた。
「よし分かった。6時にグランドやな。 遅刻したら、金魚すくい奢りやぞ!」

祭りの当日は天気も良く、夕方になる頃には微かに河内音頭が僕の家 まで聞こえてきた。そろそろ家を出なければならない時間になった時、電話のベルが鳴り出した。 電話に出てみると、当時好きだった女の子からの電話だった。
「何してるん?」「いや、別に。」「今日、暇なん?」「うん、暇やで。」
「お祭り、行けへん?」 「祭りなあ。あんまり行きたくないねんな。
どっか別の所、行こうや。」
まんまと彼女と一緒に祭りに 行けば、あのゲスい男達にカラカワレてオチョクラレて、最悪の状況になる事が目に見えていた。僕は後先の 事など考える間もなく、友情より恋愛を選択する事に決めた。こんなチャンスは滅多に訪れない。僕と彼女は 夏祭りの会場から少し離れた小高い丘の上にある小さな公園のベンチに腰を下ろして、色んな話をした。 学校の事、新しく出来た友達の事、最近面白かった事。
遠くの方からは、薄らと河内音頭が聞こえている。
「ほんまはお祭り、行きたかったんちゃうん?」
僕は話が途切れたのを見計らって彼女に聞いてみた。
「いや、そうでもないで。ここで話してる方が面白いよ。」
彼女はそう答えてから、缶紅茶を少し飲んだ。 その瞬間、僕の心がギュッと引き締まったのが分かった。これは告白のチャンスかも知れない。 そう考え出してからの僕は、彼女の目をしっかりと見る事も出来ないくらいに緊張していた。頭の中では 色んな思いが渦巻いている。告白してふられたらどうしよう、彼女は僕の事など好きじゃないんじゃないか、 得てして付き合う事に意味があるのか、・・・。
そんな事ばかり考えていると、さっきまで弾んでいた会話も ギクシャクしだした。「どうしたん、何かおかしいで。」彼女はからかうような感じで、
僕の方を見ながら 笑っている。笑っている彼女の横顔はやっぱり可愛かった。

そろそろ話も尽きてきて、彼女が時計をチラチラと見だした。彼女の門限は9時だ。もう時間がない。勇気を 振り絞って、告白しようとするのだが、最初の一言が出てこない。「好きやねん」の「す」の文字さえ言葉に 出来たら、後は簡単なはずなのに、それさえも出来ない。そんな自問自答を繰り返している時に、彼女が口を 開いた。「私、もう帰らなアカンわ。」その瞬間、ドーンという大きな音と共に花火が上がった。
「うわっ! 花火や!」「ホンマや!」
そういえば、その日は大きな花火大会が港の方で開催される日だった。
「花火だけ でも見て帰ろうや!」僕が言うと、彼女はチラッと時計を見たが、優しくうなずいてくれた。ドーン、 バーン、ドーン。奇麗な花火が夜空を赤や黄色に染めている。花火は僕たち2人をも薄らと照らしている。 これが最後のチャンスだ。次の花火が上がったら告白しよう。次の花火が上がったら告白しよう。それを 何度も繰り返してるうちに、最後の大玉花火が上がった。大きな大きな花火が奇麗に夜空を舞っている。 まるで真昼のように空が明るくなった。彼女の白いスカートも眩しく光っていた。花火が終わって、彼女は 「バイバイ、楽しかったわ。」とだけ言い残して、スクーターで帰って行った。結局最後の勇気を振り絞れ なかった僕は、どうしようもなくモヤモヤした気分で、静まり返った公園を一人後にしたのだった。

何とも言えぬモヤモヤした気分で元気なく家に帰った僕に、突然母親が凄い剣幕で怒鳴ってきた。 「何々君と何々君と何々君から何回も何回も電話あったで!
あんたの友達、アホちゃうか!」。
僕は「もう俺の事なんか、ほっといてくれ!」と言って、布団に包まった。
布団の中で目を瞑っていると、 花火に照らされて眩しく光っていた彼女の
白いスカートだけが、浮かび上がってきた。 ああ、祭りの後の寂しさよ・・・。 (文/加藤鶴一)


*東日本大震災義援金に関して*
(ア)6/20(月)チャリティーイベント(ONE WORD FOR ONE WORLD)
入場料全額 ¥ 80,000( ¥ 1000×80名)
(イ)7/25(月)チャリティーイベント(ONE WORD FOR ONE WORLD)
入場料全額 ¥ 12,000( ¥ 1000×12名)
(ウ)ファンダンゴ内常設募金箱(7/27精算分)
¥ 8,035
(ア)+(イ)+(ウ)= ¥ 100,035
以上の金額を、義援金もしくは義援物資として、
8月末に被災地へ直接寄付いたします。尚、その詳細は追って報告いたします。
(文:加藤鶴一)

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