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バンド募集

20th本

ウルトラ募集

at TENGACHAYA
『毎日歩いている西成の一風景。
こんな感じのセンスの良さが
そこら中に転がっ ています。』

※ファンダンゴでは、各日のチケットの電話予約・E-mail予約を
受け付けています。お気軽にお問合せ下さい


吠えろ!ファンダンゴ!!
#144 天下茶屋にて



「塵も積もれば山となる」この格言の意味を信じて、僕は残暑厳しい炎天下の中を毎日毎日歩いている。 来る日も来る日も汗をダラダラと垂れ流しては歩いている。一区間目は、南海本線天下茶屋駅から、 あいりん地区を通って、JR新今宮駅まで。そしてもう一区間は、JR塚本駅から十三ファンダンゴまで。 健康の為ではなく、お金の為に歩いている。僕の住んでいる堺市からファンダンゴのある十三までは、 普通に電車を乗り継いで来ると、所要時間40分の交通費にして630円になる。だが、知恵を絞った 挙げ句にようやく辿り着いた、現在の歩き戦法を取り入れたルートだと、所要時間は80分かかって しまうものの、交通費は410円で済む。その差220円、ひと月分で換算すると片道約6600円が 浮く計算になる。ただ帰り道は終電の関係もあり、なかなか歩き戦法をフルに使えないのだが、それでも 僕の編み出したルートで帰ると、ひと月約2000円の節約となる。これで、ひと月往復で約8600円。 なんと、年間で計算すると約10万円となる。10万円といえば、缶ビールにして約500本。 打ち上げに換算すると、約50回分となる。「塵も積もれば山となる」その格言を信じて、今日も歩いて 来た。お金の為なのか、アルコールの為なのか、そんなのはどちらでもいい。

先ほど、天下茶屋からあいりん地区を通って新今宮まで歩いていると言ったが、僕ら大阪の南の方に住んで いる人間にとって、あの辺りが僕らにとってのディープ大阪である。高校1年生の夏休みに友達3人で 天下茶屋にあるS電気という卸し専門の電気屋でアルバイトをしていた。仕事の内容は、主に配達の助手で、 その他にも商品管理や伝票整理もした。朝8時に会社に着くと、すぐにトラックに乗せられた。僕はいつも 田中さんというドライバーとコンビを組まされていた。田中さんは40歳位で、小柄ではあるが力が強く、 話していても気さくで、高1の僕に対しても優しくしてくれた。しかし、そんな田中さんにも一つだけ大きな 欠点があった。それは、居眠り運転である。びっくりする事に、朝8時に会社を出てから10分も経たない うちに眠ってしまう事が多々あった。最初のうちは、僕も気が引き締まっているので、信号待ちで眠って しまった田中さんの肩を激しく揺すりながら「田中さん!田中さん!」と叫んでいたが、慣れてきた頃には 田中さんの耳元で手を叩くだけで目を覚まさせる事が出来るようになっていた。そんな見事な技も、僕が しっかり起きている時には有効なのだが、僕が眠ってしまうと、僕らのトラックはかなり危険な状態に陥って しまう。しかし、怖いもの知らずの若造だった僕は、田中さんと同様に睡魔には勝てなかった。そんな僕に、 田中さんは「寝とき、寝とき、現場着いたら、起こしたるから。」なんて、優しい言葉をかけてくれたりも するのだ。僕は僕で、田中さんが眠そうな時には過剰に話しかけたりもした。そんな田中さんと僕は、 ちょっとポンコツだけど、いいコンビだったように思う。事故防止の為だからと無理矢理言い訳を作っては、 よくトラックを路肩に止めて、2人で昼寝をしたものだ。思い返してみると、田中さんとの思い出は、一緒に 仕事をした思い出より、圧倒的に一緒に昼寝した思い出の方が多い。

そんな居眠りコンビが事件を起こしたのは、残暑厳しい8月の終わりの昼前の事であった。渋滞中の 国道26号線を北へと向かっていた僕らは、ノロノロ走る車の列の中に埋もれていて、お互い口数も少なく、 僕はフロントガラスのすぐ前に見える大型トラックのテールランプをボンヤリ眺めていた。そんな僕に 気を使ってくれた田中さんは「寝といてええで。」と優しい言葉をかけてくれた。僕は素直に 「ほんなら、ちょっとだけ寝させてもらいますわ。」とだけ答えて、すぐに眠りに落ちた。それからどの位の 時間が経ったのかは分からないが、フロントガラスをドンドンと叩く音にビックリして目を覚ました。辺りを 見渡すと、数人の人が僕らのトラックを囲んで、ガラスや車体を叩きながら、何かを激しく訴えかけている。 いったい何が起こっているのか分からないので、隣の田中さんに助けを求めようと思い、田中さんの方を 見たが、田中さんはハンドルをしっかりと握りながら完全に眠っていた。僕は急いで田中さんを起こし、 車のドアを開けると、ものすごい剣幕でタクシーの運転手らしき人が怒鳴ってきた。 「お前ら、ええ加減にせえよ!後ろ、えらい事になっとるがな!はよ動かせ!」それでなくとも渋滞中だった 国道26号線の片側車線を完全に居眠りで塞いでしまっていたのだ。田中さんが急いで完全にエンストして しまっていたトラックのエンジンをかけて、トラックを発車させようとした瞬間、また新たにドアを叩いて くる男がいた。S電気の社長である。社長は田中さん側のドアを開けて「どないしたんや!故障か!」と 聞いてきた。田中さんは咄嗟に「もう大丈夫ですわ!社長も早よ車動かさな、後ろに迷惑でっせ!」と 興奮気味に返した。自分の会社のトラックが止まってしまってるのを偶然目撃した社長は、わざわざ 田中さんのトラックの横に車を止めて、心配でかけつけてくれたのだった。後方から、クラクションの嵐が 鳴り響いている。それもそのはずだ。片側2車線しかない国道26号線をS電気のトラック2台が完全に 塞いでしまっているのである。強烈なクラクションの嵐と大阪弁特有の激しく捲し立てる罵声をバックに、 S電気の2台のトラックは急いで逃げた。ようやく、その日の配達を終えて会社に帰ってきた僕らに社長が 問いかけた。「今日、なんで車止まっとったんや。」田中さんはトボけた顔で答えた。 「最近エンジンの調子がずっと悪かったんですわ。ほんで今日、急にエンジンが止まって、動かんように なりましたんや。えらいすんまへんでした。」結局、僕らの居眠りは最後までバレなかった。

あの事件から1週間程で、僕らはS電気のアルバイトを終えた。僕らはひと夏分の給料で、レコードを 買ったり、映画を見たり、串カツを食べたり、単車の免許を取りに行ったりした。田中さんとはあれ以来 一度も会っていない。居眠り運転で死んでいなければいいのだが。最近、あのS電気があったはずの場所を 何度か探してみたのだが、全く見つからないでいる。かなり昔の話なので、場所はうろ覚えであるが、 もう潰れてしまっている可能性も拭えない。あの辺りを毎日歩いていて感じる事は、当時と町並みや町の 空気が全く変わっていない事である。これはある意味素晴らしい事だと思う。一歩足を踏み入れるだけで、 いつでも古き良き昭和の時代にタイムトリップできる町。今、どこもかしこもが似たり寄ったりの町に変化 していっている中、個性溢れるあの大阪のディープさは後世まで残していきたいものである。うっかりして たら、この十三も時代の流れに巻き込まれて、表情のない町に変わってしまいかねない。 そんな事を考えてたら、居眠りもでけへんな。



*東日本大震災義援金に関して*
A)6/20,7/25に開催したチャリティーイベント
(ONE WORD FOR ONE WORLD)の入場料全額と
ファンダンゴ常設募金箱(7/27精算分)を
合計した金額 ¥ 100,035。

B)同様に、ONE WORD FOR ONE WORLDに
参加しているライブハウス"HOKAGE""ROCKETS"の
チャリティー売上金合計 ¥ 110,848。

C)有志の皆様からお預かりした支援物資。
(A,Bの現金に関しては、車に積めるだけ
現地で支援物資に代えました。)
それらを、8/30に福島県南相馬市の託児所
「KID'S CLUB」さんに支援物資を
直接届けさせていただきました。

(内訳)
水:2L×318本
米:150kg
レトルト:500食
野菜:ダンボール4箱
お菓子:ダンボール2箱
残金: ¥ 86,572
*尚、残金に関しましては、今回の支援物資直送に
あたって色々と教えていただいたSLANG/KO氏の
主催するNBC作戦本舗に支援金として
振り込ませていただきました。
まだまだ現地では、余儀なく不自由な
暮らしを強いられている方々が
たくさん居られます。
これからも御協力の程、
宜しくお願いいたします。
次回のONE WORD FOR ONE WORLDは
9/26(月)に開催いたします。

『NBC作戦本舗』
『南相馬の託児所「KID'S CLUB」』
『ONE WORD FOR ONE WORLD』

(文:加藤鶴一)

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