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バンド募集

ウルトラ募集

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『僕の家から歩いて5分の旧堺港。夏祭りの夜、無性にこの港で泳ぎたくなって、
気がつけば飛び込んでいた。いわゆる楽かったが何だかホロ苦い、
こ の夏の思い出である。』

※ファンダンゴでは、各日のチケットの電話予約・E-mail予約を
受け付けています。お気軽にお問合せ下さい


吠えろ!ファンダンゴ!!
#156 a memory of summer vacation '85



お盆も終わり、蝉時雨も一時の勢いが無くなりかけた夏の終わりの夕暮れ時、
僕らは溜まり場であったヤマチュウの家でゴロゴロしていた。
「もう夏も終わりやで!高校野球も終わったしな。」
トッサンが言った。その年の夏の高校野球は、以前から話題になっていた清原や桑田が 在籍していた大阪のPL学園が圧倒的な強さで優勝を飾っていた。
「清原は凄いよな。何であんなにホームランが打てるんやろうか。」
僕らは首の回らなくなった扇風機の風に当たりながら、
特に意味のない会話を続けていた。
「お前、知ってるか?清原も桑田も年下やねんで。」ヤスが僕に言ってきた。
「そんなん当たり前やん。俺ら去年高校卒業したやんけ。ヤマチュウ以外はな。」
そう答えながらも、僕の気持ちは少し動転していた。何故なら、小学生の頃から 憧れていた高校野球選手の年齢を、いつのまにか追い越してしまっていた事に 初めて気付いた瞬間だったからである。
「清原も桑田もオッサンに見えるなあ。」 何だか悶々としていた僕が、堂々と甲子園で活躍している2人を見て、 負け惜しみで言った僕の言葉にヤスが答えた。
「あれはオッサンというより、立派な大人やで。俺らはいつになったら大人になるんやろうなあ。」
「どっからが大人で、どこまでが子供やねん。」
「それは自分の働いた金で生活してたら大人やないんか?」
「ほんなら、ヤマチュウだけ大人で、俺ら3人は子供なんか?」
すると、高校を中退してからずっと駅前の肉屋で働いているヤマチュウが自慢げに言った。 「俺は子供が羨ましいわ!」夏の終わりのオレンジ色の西日が、 意味があるようでないような会話をしている僕らを強烈に照らしていた。
1985年の8月も終わりの話である。

夜になっても、僕らはヤマチュウの家でゴロゴロしながら、大人とは何たるかを話していた。 その時、ヤスが提案した。
「俺らの夏はバイトばっかりで、どこにも遊びに行ってへんし、 ここは大人に遊びに連れて行ってもらおうや!」ヤマチュウが飛び出た鼻毛を 押し込めながら答えた。「よし、海に行こうや!」
そんな流れで、僕ら4人はヤマチュウが所有している肉屋の軽トラに乗り込んで、 大人になる為の旅に出る事になった。深夜12時、ウイスキーのボトルを2本だけ積んで、 ヤマチュウの運転する軽トラは走り出した。
「やっぱり、折角やから、奇麗な海がええなあ。」
「よし、山の景色でも見ながら、和歌山まで行こか!」
その一言だけで、近所の地図しか積んでない肉屋の軽トラは、ヤミクモに南の方角を 目指して走り出した。怖い事など何も無かった18歳の僕らはウイスキーを回し飲みしながら、 街灯の無いような山道を南へ南へと進んでいた。
「今、どこなん?」
「知らん。知らん道を行くのが旅の醍醐味や。」
車はヘッドライトが照らす一寸先の明かりだけを頼りに、車一台通るのがやっとの山道を走っている。 夜空を見上げると、何百何千もの星が視界一杯に散らばっていた。耳を澄ませば、川のせせらぎや 虫の鳴き声が聞こえてくる。
どれだけの山を越えたのだろうか。山道を走り出した頃はそんな 大自然も楽しめたのだが、そんなものもすぐに飽きてしまった。 そして、それと入れ替わるようにして、不安が襲ってきた。あれだけ騒がしかった車内も 祭りの後のように静まり返り、皆が皆ヘッドライトが照らす道の先だけを見つめだした。
出口の見えないドライブに、すっかり機嫌が悪くなってしまったトッサンが強い
口調でヤマチュウに言った。
「いったい、ここ、どこやねん!」
「知らん。真っすぐ行ったら和歌山ちゃうか。」
「真っすぐって、山ん中走ってるだけやんけ!今どの辺か調べるから、地図貸してくれ。」
「無い。」
ヤマチュウが素っ気なく答えると、トッサンはすっかり諦めた様子で静かに目を閉じてしまった。

時計の針はいつの間にか午前4時を指していた。既に4時間も走り続けている事になる。 素直に海岸線を走っていれば、とっくに奇麗な海に辿り着いている時間なのに、僕らは まだ山の中をさまよっていた。
僕とヤスは後ろの座席ですっかり酔っぱらってしまっていたので、 いつもより上機嫌になってふざけあっていたが、ついに一人で運転し続けているヤマチュウが 喋らなくなってしまった。昼から仕事のトッサンは助手席でふて寝を続けている。 車内の雰囲気が悪くなってきたので、「明るなるまで、どっかに車停めて休もうや。」と 提案してみたが、ヤマチュウは僕の問いかけに答えてはくれず、ただ必死に前を見て ハンドルを握っているのだった。
会話もなくなってしまった車内には、軽トラの エンジン音だけが響いている。ほんまに道に迷っているのかも知れない。 もしかして、とんでもない方向に進んでいるんじゃないか、と思った瞬間 「もうアカンかも。」ヤマチュウが呟いた。
「えっ、何て!」ヤスが聞き返した。
「もうアカンかも分からん!」ヤマチュウが声のトーンを上げて、
もう一度言った。
「何がやねん。」
「ガソリン、もうすぐ限界や。」
それから10分も経たない内に、 僕らの軽トラは情けない感じで止まってしまった。ガス欠である。

「こんな山道でどうすんねん。」
「人が来るのん、待つしかないやろ。」
僕らはトッサンを起こし、 3人で軽トラを押して、何とか安全な場所まで車を移動させた。しばらくすると、 空が白みはじめ、山の稜線がはっきりと見えるようになった。僕たちは冷ややかな 山の空気に包まれながら、人が来るのを待っていた。
すると、遠くから軽快な単車の音が 聞こえて来た。
僕ら4人は一斉に大声で叫んだ。
「お〜い!助けてくれ!!」
その叫びが聞こえたかどうかは分からないが、一台のスクーターが こっちへ向かって来るのが分かった。
「やったー、助かった!」僕らは走って来るスクーターに 大きく手を振って、口々に叫んだ。しかし、近づいてくるスクーターは何だか様子がおかしい。 スクーターに跨がっていたのは、70歳ぐらいのおじいさんで、しかも白ブリーフ一枚しか 身につけてなかった。
これはアカンのんちゃうか。と思った瞬間、白ブリーフは僕らの前で止まり、
「どないしたんや!」と声を掛けてくれた。
「ガス欠なんです。この辺にガソリンスタンドはありますか?」
「1時間ぐらい走らな無いわ。ちょっと待っとけや!」
白ブリーフは再びスクーターに乗って走り出した。30分位経った頃、車が走って来た。 僕らはまた大きく手を振りながら、「助けてくれ!」と叫んだ。
車が僕らの前で止まって、 運転席のドアが開いた。車からはさっきの白ブリーフが降りてきた。そして、ポリタンクを 僕らに差し出した。
「このガソリンやるわ。」
「ありがとうございます!」
僕らは口々に感謝を延べ、別れ際にガソリンスタンドまでの道とここから 一番近い海までの道を教えてもらった。

いったい、どこをどう走っていたのだろうか。
まるで狐に化かされたような夜だった。 僕らは白ブリーフと別れてから2時間程で泉佐野の漁港に辿り着いた。
「おい、こんな所で泳ぐんか?」
「しゃあないやんけ。もう時間もないし、ここで泳ごうや!」
煮え切らない僕らを尻目に、ヤマチュウは残っていたウイスキーをラッパ飲みしたかと思うと、 全裸になって桟橋から飛び込んだ。それを見た僕らも、一斉に海に飛び込んだ。 僕ら4人はギャーギャー騒ぎながら、思いっきり楽しんでいた。
しかし、その楽しみも束の間で、 岸壁からメガホンで叫ぶ声が聞こえてきた。
「コラッ!ここで泳ぐな!」 僕ら4人はプレハブの事務所のような所に連れて行かれて、漁業関係者と見られる厳つい 大人数人に囲まれ、ムチャクチャ怒られたのだった。

つい先日、酔っぱらってしまった僕は、朝方近所の港で泳いでしまって、いろんな人に 迷惑をかけてしまった。その帰り道、ボロ雑巾のような体を引きずりながら歩いている時、 あの夏の終わりから何一つ変わってない自分に気付いて、何とも言えぬ情けない 気持ちになってしまったのを覚えている。
いったい、俺はいつになったら大人になれるんやろうか。
その日は偶然にもヤマチュウの命日だったけど、
ヤナチュウだけは分かってくれるよな。


(文:加藤鶴一)


*東日本大震災義援金に関して*
ファンダンゴ常設募金箱(7/8~8/25精算分) ¥ 56,600は、
ファンダンゴ/村上率い る物資直送チームが、8/27,8/28の
2日間を 使って、宮城県石巻の水浜仮設住宅 と
宮城県南三陸の戸倉仮設住宅の2カ所へ、
皆様から預かった現金を物資に代え て、
被災地の方々に直接届けてきて くれました。
(以下、参照下さい。)
引き続き、宜しくお願いいたします!!

《南三陸町戸倉仮設住宅》
・ボックスティッシュ(5箱入り)×13個
・トイレットペーパー(12ロール入り)×6個
・ラップ×65本
・食器用洗剤×25本
・歯磨き粉×30本
・衣類用洗剤×10箱
・ゴミ袋(10枚入り)×10袋
・卵(6個入り)×10パック
・めんつゆ1.8P×4本
・さとう1kg×6パック
・しょうゆ1.8P×1本/500ml×5本
・みりん1P×3本
・食塩1kg×2袋
・みそ1kg×5袋
合計 ¥ 28,300

《石巻市雄勝町水浜仮設住宅》
・ボックスティッシュ(5箱入り)×30個
・トイレットペーパー(12ロール入り)×25個
・ラップ×25本
・ボディソープ×25本
・食器用洗剤×25本
・衣類用洗剤×25箱
・めんつゆ1.8P×5本
・ひやむぎ×50袋
合計 ¥ 28,825

【2カ所合計金額 ¥ 57,125】

『NBC作戦本舗』
『南相馬の託児所「KID'S CLUB」』
『ONE WORD FOR ONE WORLD』
『東北ライブハウス大作戦』

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