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UDON

『僕が世界で一番好きなウドン屋「栄吉うどん」。
残念ながら、親父さんの体調が悪くなり、
2年半前から休業中である。今でも全国の栄吉ファンが、
この店の復活を密かに願っている。
ちなみにバックに写っているのは、チンチン電車である。
チンチン電車が走る音を聞きながら
食べる釜揚げうどんが また格別だった。』

※ファンダンゴでは、各日のチケットの電話予約・E-mail予約を
受け付けています。お気軽にお問合せ下さい


吠えろ!ファンダンゴ!!
#159 UDON



「お母ちゃん、今日の晩ご飯、何?」
「今日はキツネウドンに玉子入れたるからな。楽しみにしときや。」
「ええ〜、ウドン〜、そんなん嫌や〜、何か他に食べるもん無いのん。」
「嫌やったら、食べるな!もう、あんたのご飯なんか作れへんからな!」
我が家で頻繁に交わされていた会話の一つである。
決してウドンが嫌いな訳ではなかったが、大阪生まれ大阪育ちの僕にとって、
ウドンなんてものは母親の手抜き料理かおやつ、もしくは病人の食事という
地味な食べ物で、一日のメインイベントに出て来る食べ物のイメージでは
絶対になかった。やっぱり子供の頃は、ウドンよりカレーライス、ウドンより
ハンバーグ、なのである。ウドンはいつでもその辺に転がってる感じがして、
特別な食べ物では決してなかった。そのうち、僕も大人になって家を出て、
一人で暮らし始めてからも、ウドンに対するイメージは変わる事がなかった。
ウドンは間に合わせの食べ物、ウドンはお金や時間がない時に仕方なく駅で啜るもの、 ウドンは病気の時に食べるものだった。決して嫌いだった訳ではないが、
白くて地味なウドンの事を、僕は心の片隅のどこかでバカにしていた節があった。

もう10年以上も前になるが、ある時そんな僕のウドンに対する偏見を覆す
出来事が起こった。
「来週、香川にウドン食べに行くけど一緒に行く?」
「ウドンかあ・・。そんなに美味しいん?」
「美味しいというか、ウドンに対する考え方、変わるで!」
「嘘やろ〜。どうしようかなあ。」
僕は迷った挙げ句、何の気なしに付いて行くことにした。
朝早くに大阪を出発して、香川県に到着してからというもの、 朝10時から夕方6時までウドンを食いまくり、 ただそれだけで大阪に戻って来るというこの上ないシンプルな旅の スケジュールである。出発前にそれを聞かされた時、果たして 人間はそれ程までにあの白くて地味なウドンだけを食べ続けることが 出来るのか、という疑問だけしかなかったが、いざ香川県に着いて、 一軒目、二軒目、三軒目とみんなに付いてウドンを食べているうちに、 僕の頭の中にこびり付いていたウドンに対する安っぽいイメージが、 音を立てて剥がれていくのが分かった。僕が今まで食べていたウドンは 何だったのだろうか。
恐るべし讃岐ウドン。 讃岐ウドンという新しいジャンルの食べ物に出会ってしまった僕は、 その後も、四軒目、五軒目、六軒目と讃岐ウドンを食べまくった。
香川県に着くまでは白くて地味だったはずのウドンが、 旅の終盤に差し掛かる頃には、眩しすぎる程に輝いている純白のスーツを 着たどこかのロックスターのように思えてきた。
ついに陽が暮れかけて、香川県を去らなければならない時間が 来てしまった時、
僕はこの衝撃を忘れたくなかったので、 「もう一軒だけ連れて行って下さい!」と、友達に懇願した。 「よし、あと一軒だけ連れて行ったろか!」
讃岐ウドンの魅力にまんまと取り憑かれてしまった僕を、
友達は優しく見守ってくれたのだった。

それからというもの、何度か香川県まで足を運んだ。何回行っても 讃岐ウドンは裏切らなかった。それどころか、どんどんどんどん深みに引きずられて行くのだ。
恐るべし讃岐ウドン。僕はすっかり讃岐ウドンの虜になってしまっていた。
毎日食べたい。毎日食べたい。そんな気持ちが積もっていくが、 ちょうどその頃に車の免許証を失ってしまう出来事があり、そう簡単に香川県まで 行けなくなってしまった。まさか香川県に移住する根性もない。
そこで名案を思いついた。地元大阪でそれなりの讃岐ウドンが 食べれる店を探せばいいのである。それからというもの、ある時は電車で、 ある時は愛車のママチャリで、僕は讃岐ウドンという看板を目指して、気になるウドン屋を巡った。
しかし、僕が欲しているようなものはなかなか見つからなかった。
美味しい事は美味しい。 しかし、何かが足りないのだ。それは、やはり味であったり、料金であったり、 雰囲気であったり。決して、また明日も食べたいというところまではいかない。
そんなモヤモヤした気持ちの中、僕は一軒のウドン屋に出会った。

「栄吉うどん」は僕の家から自転車で5分足らずの所にあった。
チンチン電車の通りをちょっと入った所にその店がある。 以前から存在だけは知っていたものの、いつ店の前を通っても営業している様子がなかったので、 この店は既に潰れてしまったのだと思い込んでいた。
しかしある日の夜、栄吉うどんの前を通りかかった時、 暖簾が出ていて、店内に明かりが見えたので、僕は特に期待もせずに入ってみる事にした。
ガラッとドアを開けて店内に入ると、コの字型のカウンターには人がぎっしりと座っている。 ぎっしりと言っても、僅か10席ちょっとの小さな店である。
メニューは2種類しかなかった。 釜揚げうどんとざるそばのみである。
その壁に貼った2種類のメニューの横にどういう訳か、
「お一人で2品以上注文の方は燃料費節約の為、130円をお返し致します。」
と書いてある。
釜揚げうどんとざるそばの2種類のメニューしか ないのに、2品以上の注文とはどういう意味なのだろうか。そんな疑問は他所にして、 僕は迷わず店の看板にも書いてある釜揚げうどんを注文した。
カウンターの奥の大きな釜では、親父さんがうどんやそばを必死に茹でている。
うどん屋にも関わらず、何故か僕の両隣の人はざるそばを啜っている。
今まで見た事のないような太くて黒いそばだ。そんな事より、待てども待てども、 僕の注文した釜揚げうどんが来ない。そのうち、両隣の人がざるそばを平らげてしまい、 すぐに帰るのかと思いきや、一向に席を立つ気配を感じさせない。
そんな事を思っていると、ようやくこっちの方に向かって女将さんが 釜揚げうどんを持って歩いてきた。 よし!俺の出番や!と気合いが入ったのも束の間、女将さんは両隣の人に 釜揚げを一つづつ置いたのだった。
おい!ざるそば食うたのに、更にうどんも食うんかい!
心の中でツッコンでみたものの、辺を見渡すと、ほとんどの人がそんな変則的な二刀流を繰り広げている。 注文してから20分近く経った頃、ようやく僕の釜揚げうどんがやって来た。 僕は熱いどんぶりから麺を荒々しく持ち上げて、出汁に付け、勢いよく啜ってみた。
何なんだ!これは!美味い! 僕は騙されているかと思い、もう一度豪快に麺を啜ってみた。やっぱり、美味かった。 それからの事はあまり覚えていないが、気がつけばどんぶりが空になっていた。 もう一杯食べなければ後悔する。そんな思いが僕の頭の中を駆け巡る。 しかし、辺のみんなが食べている太くて黒いざるそばも気になってしょうがない。 いつ開いているのか分からないこの店に2度と来れるかどうかも分からない。 迷った挙げ句、僕は女将さんにざるそばを注文した。
女将さんは笑いながら僕に言った。
「お客さん、珍しいですね。普通は釜揚げが茹で上がるまでに、
皆さん、ざるそばを食べるのに。」
そうか、そうだったのか。しばらくして、僕のざるそばがやって来た。
ざるから勢いよく麺を持ち上げ、出汁につける。そして、思いっきり啜ってみた。 何や!これは!これも美味い!恐るべし「栄吉うどん」。かなりの衝撃だった。
ここを離れるのは嫌だったが、仕方なく女将さんにお勘定をお願いした。
釜揚げうどんとざるそばで980円の計算だったが、 燃料代130円が差し引かれて850円だった。 何という良心的な店なんだ。
「すいません。この店はいつ開いてるんですか?」
「日曜日以外の夕方4時から夜8時半までです。」
「また来ます!」
と言って僕は栄吉うどんを後にした。
それからというもの、僕は10数年間毎週毎週飽きる事もなく、 栄吉うどんに通い詰めたのだった。その間、ずっとずっと頑張って営業されていたが、 2年程前から親父さんの体調が原因で現在は店を閉じている。

年間100杯は食べていた栄吉うどんが休業してからというもの、僕のウドン欲もすっかり萎えてしまっていた。しかし、つい最近、その萎えてしまっていた僕のウドン欲を 奮い立たせるような出来事が起こった。
先日、友達に「香川にうどん食べに行こや!」と誘われた。僕は久しぶりの香川県に期待を抱き、連れて行ってもらう事にした。 やっぱり美味かった。
しかし、終盤になっても、あの栄吉うどんを越えるものは見当たらなかった。 だが、最後に立ち寄った店で事件は起きた。店の名前は「長田 in 香の香」。
ここの釜揚げうどんを食べて、頭に電流が走ったのだった。
この味は!この感じは!まるで栄吉うどんじゃないか!
僕はあまりの感動で、涙がこぼれるのを我慢しながら、最後の最後まで一気に食べ干した。 まるで2年間会いたくても会えなかった恋人と再会出来たかのような感動だ。 僕はその時、もうもうと湯気が立ち上る大きな釜の向こうで、 元気になった栄吉うどんの親父さんが汗を流しながら、必死に長い棒を操って、 大きな釜の中をかき混ぜているのが見えたような気がした。
僕にとっての2012年、一番感動した出来事がこれである。


(文:加藤鶴一)


*東日本大震災義援金に関して*
ファンダンゴ/村上率いる物資直送チームが、
皆様から預かったファンダンゴ常設募金箱のお金を
物資に代えて、本日(11/25)から気仙沼、南三 陸、石巻へ
向かいます。この詳細に関しては、来月のこのコーナーにて
報告させていただきます。募金をして頂いた方、
物資を持って来て頂いた方、 色々と協力して頂いた方、
本当にありがとうございました。
今後とも、宜しくお願いいたします!!


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