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バンド募集

ウルトラ募集

タバコ

『ある友達から貰った強烈なタバコ。
タバコのお陰で歯や歯茎がここまできてしまったら、
むしろ吸い続けるしかない。』

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受け付けています。お気軽にお問合せ下さい


吠えろ!ファンダンゴ!!
#161 tobacco



1日に20本程、タバコを吸う。はっきり言って、もう最近ではそれが美味いのか 不味いのかも分からなくなっている。しかし、1日に20本程、タバコを吸っている。 世間では体に良くないと言われているが、それも何となく分かっているつもりだ。 最近ではタバコのパッケージにまで、タバコは体に悪いとハッキリ表示している。 ちょっと前、友達に貰った海外のタバコに至っては、タバコでボロボロになった 肺の写真やタバコでガタガタになった歯と歯茎の写真がドギツイ感じで パッケージに印刷されていた。そこまで僕ら喫煙者の健康を気遣ってくれているのなら、 いっその事売らなければいいじゃないか。僕が美味くも不味くもないタバコを 吸っている理由は、登山家が山に登る理由と同じで、そこにタバコがあるから 吸っているのだ。美味くもなく、健康に悪く、お金もかかる、まるで三重苦だ。 そう思っているのなら、今すぐやめればいいじゃないか。 そんな意見に立ち向かいながら、僕はタバコを吸っている。中途半端な人間になるな。 途中で物事を投げ出すな。
そう昔から頭に叩き込まれてきた僕には、30年以上も 続けてきたタバコを途中でやめる事が出来ないのである。

中学2年の夏休みにおばあちゃんが亡くなった。物心ついたときから僕にとって 優しかった父方のおばあちゃんである。僕は初めて経験する近親者の死を、 どう捉えたらいいのか分からなかったので、母親からおばあちゃんが亡くなったと 聞かされても、テレビを見ながら頷く事しか出来なかった。 母親はそんな僕の反応を見て、「おばあちゃんが死んでんで!あんたは何も感じへんのか!」と、 怒鳴りながら僕を殴った。何も感じてない訳ではなかったのだ。悲しい事は悲しいが、 それをうまく表現出来なかっただけなのだ。翌日、お通夜で参列してくれた方々が帰った後、 近親者だけが残った席で、急に親父が大声を出して泣き出した。
「あんた!何してるんや!早よ起きんかい!」そう叫びながら、棺桶の中で 横たわっているおばあちゃんの体を起こして、背中を摩り出した。
「寝てる場合やないぞ!早よ起きんかい!」
ボロボロ泣きながら、大きな手を上下に揺すっている。
それを見た親戚の者たちが、「兄さん、何してまんのや!止めなはれ!」
「お兄ちゃん、止めて!」等と 口々に叫びながら、親父を止めにかかった。
親父はみんなに体を押さえつけられて、 それでもワンワン泣いていた。
僕はその親父の行動を見た瞬間、初めて涙が溢れてきた。 止めようと思っても止める事が出来ない涙は次から次へと洪水のように溢れて、 僕の頬を伝っては落ちるのだった。その時、初めて人が死ぬという意味が分かったような気がした。
ようやく涙が治まった頃、まわりを見ると親戚の真ちゃんだけはまだ嗚咽をもらしながら泣いていた。 真ちゃんは僕と同い年で親父の妹の息子である。会場が狭かったので、夜10時を越えた頃に 僕ら子供達はバラバラに別れて、近所にある親戚の家々で寝る事になった。
「あんたは真ちゃんの家に泊めてもらい。」
そう母親に言われて、僕は真ちゃんと二人で 電車に乗って、
真ちゃんの家まで行く事になった。

「真ちゃん、おばあちゃん、死んでもうたなあ。」
「昔、よく駅前の金魚すくいに一緒に連れて行ってもらったなあ。覚えてる?」
「覚えてるよ。二人で一緒に泊まりに行った事もあったなあ。」
電車の中で、おばあちゃんの思い出話をしていると、また涙が出てきた。 真ちゃんの地元に着いて、家までの夜道を歩いてる時、真ちゃんがおもむろに ポケットからタバコを出して、僕に勧めた。
「鶴ちゃん、タバコ吸えへんのか?」
「あったら吸うけどなあ。」
僕はちょっとカッコをつけて言った。実は、小学6年の時に親戚の兄ちゃんに脅されて、 何回か無理矢理吸わされた事があるだけだった。僕は真ちゃんが差し出したタバコを 一本抜き取り、ライターで火をつけた。ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ、オェ。
見事にむせた。そんな僕を見て、真ちゃんはゲラゲラ笑った。
やがて真ちゃんの家に着き、 二人タバコを吸いながら、またおばあちゃんの話になった。
「おばあちゃん、何で死んだんや?」
「何か脳の病気やって言うてたで。」
「あんなに元気やったのに、何で急に死んだんやろ?」
「分からん。」
「もう会われへんのか。」
「もう一回会いたいなあ。」
しばらく会話がなくなり、四畳半の部屋を見上げると、タバコの煙が充満していた。 「単車乗りに行こか!」真ちゃんがその沈黙を破るように言った。
僕らは懐中電灯一つ持って、単車を隠してあるという原っぱまで行った。
原っぱの茂みの中には、単車が4台も隠してあった。
「鶴ちゃん、その単車乗ったらええねん。」
エンジンをかけて、アクセルを回してみた。 ガッシャーン。1メートルも走らないうちに転けた。真ちゃんは横でゲラゲラ笑っている。 原っぱで少し練習をしてから、僕らは2台で走り出した。ビーン、ビーン。 軽快な音を響かせながら単車は進んで行く。細い路地を抜け、公団住宅を横目に見て、 田んぼの真ん中を突っ走って行く。夜を越えて、闇を切り裂き、全ての思いをブッ飛ばしながら、 単車はビーンという軽快な音を立てながら走り続けた。僕らは大きな池の脇に来たところで、 単車の音に負けない位の大声で叫びだした。
「おばあちゃ〜ん!」「おばあちゃんのアホ〜!」
「アホ〜!」「何で死んだんや〜!」

真ちゃんの家に帰ってきたのは、明け方だった。疲れて眠たいはずなのに、 布団に入ってもなかなか眠れなかった。目を閉じると、親父がおばあちゃんの 体を起こしながら、子供みたいに号泣している場面が瞼に映るのだ。 その度に胸が苦しくなって、涙が滲んでくるのである。
結局、睡眠不足のまま、 僕と真ちゃんは葬儀場に向かう事になった。昨日よりちょっとは慣れた感じで タバコに火をつけて、駅までの道を歩いた。
「昨日の事は内緒やで。雅ちゃんにも正ちゃんにも内緒やで。 もしバレたらお父ちゃんに殺されるからな。」 葬儀場に向かう電車の中で僕らは約束した。
葬式が終わり、おばあちゃんとの別れの時がきた。 棺桶の中で目を閉じている
おばあちゃんは、薄らと微笑んでいるようにも 怒っているようにも見えた。
まるで、昨夜の僕と真ちゃんとのヤンチャを 全て知っているかのような顔だった。親父は僕の隣で、真っ赤に腫れた目を擦りながら、 何も言わずに、おばあちゃんの頬を優しく撫でていた。 それを見ていると、また涙が溢れそうになった。
葬儀が全て終わった帰り道、 駅からの道を歩きながら、タバコに火をつけた。
人間もタバコも最後は煙になるんやなあ。
そう思いながら、煙を思いっきり吐き出して、持ってるタバコを全部、
千切って捨てた。


(文:加藤鶴一)


*東日本大震災義援金に関して*
ファンダンゴ/村上率いる物資直送チームが、
4/8,4/9の2日間を使って、現地に向かう予定に
なっております。詳細は追って、来月のこのコーナーか
ファンダンゴ・スタッフ・ブログにてお知らせしますので、
引き続き「ファンダンゴ常設募金箱」への
ご支援を宜しくお願いいたします!!

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