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バンド募集

ウルトラ募集

DOKAJYAN DOKAJYAN

『まだまだ寒い日が続きます! そこで、ファンダンゴが寒がりのあなたに贈る
ニューアイテムを発売開始します。名付けて「ラブ・ジューソー/ドカジャン」、
完全受注生産/サイズ (M,L,XL)/ ¥ 8000。
是非ともこの機会に、雨にも風にも負けないドカジャンを手に入れて下さい。
詳しくはスタッフまで。』

※ファンダンゴでは、各日のチケットの電話予約・E-mail予約を
受け付けています。お気軽にお問合せ下さい


吠えろ!ファンダンゴ!!
#162 雨ニモマケズ 風ニモマケズ



2月も終わりに差し掛かり、3月がやって来ようとしている。
しかし春は一向に訪れる気配はなく、 大阪では昨日も今日も雪が散らついた。
先日、家に常備しているポン酢が切れたと言うので、 自転車を飛ばして15分程の所にある最近お気に入りの激安スーパーに向かっていた。 曇り空からチラチラと雪が降りてくる風が強い日の事である。向かい風に押し返されないよう、 体全体に力を込めて必死にペダルを回そうとするが、なかなか思い通りに進む事が出来ず、
緩やかな坂を登っている途中で、アホらしくなって自転車を降りる事にした。
力一杯自転車を 漕いでいる時にはそんなに寒さを感じなかったのだが、自転車を降りた瞬間から徐々に強烈な 冷気が僕の体にまとわりついてきたのだった。
あまりの寒さに耐えきれず、路肩に自転車を止めて、 灰色の空から引っ切りなしに溢れてくる真っ白な雪を見ながら、ジャンパーのポケットから手袋を 取り出そうとしていた。しかし、僕の体に付いている全てのポケットを探してみたが、手袋は出て来ない。 探せども、探せども、出て来てはくれなかった。
目的の激安スーパーまで、少なく見積もっても あと10分はかかる計算になる。
この寒空の下、10分間も裸の手のまま自転車のハンドルを 握っていられるのだろうか。下手をすると凍傷になってしまうのではないか。
僕の脳裏には、先日NHKで見たある登山家が冬山で凍傷になって足の指を全部切断するという、 ショッキングな映像が蘇ってきた。僕の手は既に感覚が無くなりかけている。 このまま家に引き返そうとも思ったが、引き返したところで手袋が無かったら、 これまでの行動全てが台無しになってしまう。
苦渋の決断の末、僕はコンビニでもどこででもいいから、 手袋を買う事に決めて、少しでも前に進む事にした。

僕は全ての逆境に立ち向かう勇者の如く、自転車を漕ぎだした。風は相変わらずの向かい風だったが、 僕はそれに負けないよう、力一杯ペダルを漕ぎたおした。
僕の口からは、宮沢賢治のあの有名な詩が 無意識に飛び出した。
「雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナ体ヲモチ」。
すると念力が通じたのか、すぐにフリーマーケットの店という看板の店があった。 僕は自転車の鍵を抜く事もせず、急いでその怪しい店に飛び込んだ。
「すいません!手袋ありますか?」
「今日は特に寒いねぇ〜。手袋はそこに並んでるだけやわ。
ゆっくり見ていってねぇ。」
おばちゃんが電気ストーブの前で皺くちゃの手を擦りながら、優しく教えてくれた。 レジの横の棚の上には、手袋が5つ並んでいる。その中の二つは完全に子供用の小さいやつ。 一つはピンクが主体の女物で毛がフワフワしたやつ。
一つは黒皮で立派そうだが暖かくなさそうなやつ。 一つはスキー場でしか見た事もないようなカラフルで大きなやつ。その五つの残念な手袋を 見て呆然としている僕の傍らに、おばちゃんが歩み寄って来て囁くように言った。
「手袋、はめてみてくれてもええよ。」
「うん、ありがとう。」
今から考えてみると、そのまま逃げる事も出来た筈だ。
なのに、何がそうさせたのか、 次の瞬間に僕は手袋をはめてしまっていた。
まずは黒皮のやつ。
「ちょっと小さいかなあ。」
「お兄ちゃん、最初は小さく感じるかも知れんけど、そのうち手にフィットしてくるよ。お似合いやわぁ。」
次にスキー用の手袋。
「これは町中で使われへんなあ。」
「お兄ちゃん、それ凄く暖かいやろ。おばちゃんの保証付きや。」
「でも普段はめられへんやん。」
「そんな事ないんちゃうかなぁ。色もカッコいいやん。」
おばちゃんは僕の一言一言にかなりの勢いで噛み付いてくる。僕は心の中で自分に言い聞かせた。 「今や、今や、今逃げるんや。また来ます。と言うんや!」
しかし、何がそうさせたのか、 その簡単な一言が言い出せない。そんな僕の気持ちを読み取ったのか、 おばちゃんは遂に女物の手袋まで勧めだした。
「お兄ちゃん、このピンクはどう?」
「それ女もんやん。」
「これはものごっつい暖かいし、ムチャクチャ伸びるよ。
今の時代は男の子でも平気で女もん着けてはるけどなぁ。」

僕はフリーマーケットの店から急いで飛び出し、自転車に飛び乗った。
そして、雪が散らつく灰色の 町中を向かい風に負けぬよう疾走している。
確かに暖かい。さすがはおばちゃんの保証付きだ。 しかし、ここはゲレンデではない。僕の手には、青や白や赤で派手にデザインされた トリコロールカラーのゴツいスキー用の手袋が装着されている。僕は何故こんな手袋をはめて、 自転車で走っているのだろうか。あまりの衝撃に、本来の目的を忘れそうになっていた自分に気付いた。 僕はポン酢を買う為に出かけているのだ。
そうだ、ポン酢だ。決して手袋を買う為に 出かけたのではなかったはずだ。
何故あの時に嘘の一つでもついて、おばちゃんの勧誘から逃れなかったのか。
僕はこの持って生まれた自分の気の弱さを呪いながら、ヤミクモに自転車を走らせた。 少しでも早くポン酢を手に入れる事だけが僕の使命なのだ。
そう心に言い聞かせて疾走しているつもりだが、どうしても派手な
トリコロールカラーが目に映ってしまう。 ポン酢、手袋、ポン酢、手袋、
よく分からない自問自答を繰り返しながら、ようやく辿り着いた 激安スーパーは
定休日でシャッターが閉まっていた。ついてない。全くついてない。 僕は行き場の無い気持ちを紛らわす為に、本当に脱ぎにくいスキー手袋を手から外し、
それを何も入っていない自転車の前かごに投げ入れて、タバコに火をつけた。
静まり返った激安スーパーのシャッターの前から空を見上げると、 灰色の空からさっきとは比べ物にならない程の雪が、僕を目がけて落ちて来ていた。

シャッターの閉まった激安スーパーを後にして、家路を急いだ。雪が止めどなく
降り注いでいるこの町の全てがモノクロに見えた。だが、その中でただ一つだけ
色が付いているものがあった。僕の手にしっかりとはめられているトリコロール
カラーのスキー用手袋がそれだった。そう考えてみると、この手袋も捨てたもんじゃないなあと思い、 何だか面白くなってきた。行く手からどんどん襲ってくる
雪を避けながら、大声で笑って自転車を漕いでみた。
「フハッハッハッハッ〜!」声をだして笑ってみると、どんどん面白くなってきた。 145円のポン酢を買いに出たはずなのに、ポン酢の代わりに600円の
スキー用手袋を買っている自分が面白い。そのスキー用手袋の派手な
トリコロールカラーが面白い。スキー用手袋は自転車のブレーキレバーを
握りにくい事が面白い。細かい鼻くそみたいな事を大げさに考えてた自分が
面白い。
「フハッハッハッハッ〜!」結局、どうでも良くなって、近所のスーパーに
寄って、激安スーパーの倍の値段でポン酢を買って帰った。
あの日以来、派手なトリコロールカラーのスキー用手袋は着けていない。
「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」
宮沢賢治のあの有名な詩のアアイウヒトニ、ワタシハナリタイ。


(文:加藤鶴一)


*東日本大震災義援金に関して*
3/17(日)にチャリティーイベントを開催いたします。
『ONE WORD FOR ONE WORLD 2013
〜東日本大震災チャリティーイベント〜』
出演:neonsign/クリトリック・リス/
My December/らせん/and more...
時間:OPEN5:30 START6:00
料金:¥ 2000 (内 ¥ 1000が義援金となります)
*皆様から預かった義援金に関しましては、
ファンダンゴ常設募金箱と合計後に
現金を物資に代えて、4/8~4/9に直接現地に届けます。
尚、その 詳細はファンダンゴHPにて、
後日報告させていただきます。

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