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バンド募集

ウルトラ募集

SAKURA
『自宅から駅へと続く川沿いの桜並木。
毎年この時期にここを歩いていると、頭が空っぽになってしまう。』

※ファンダンゴでは、各日のチケットの電話予約・E-mail予約を
受け付けています。お気軽にお問合せ下さい


吠えろ!ファンダンゴ!!
#163 蠢いている。



蠢く(ウゴメク)という言葉がある。生々しくて好きな言葉だ。春という字の下に虫が2匹。 暗く寒い冬を乗り越えた虫達が、春の到来を感じて地中からもぞもぞと
地上へ出てくる感じ、 言葉では表現出来ないような、何かが動き出すような、
そんな力強い感じがこの言葉にあるように 思っている。
実際、僕も蠢いている。長い冬の間着続けていた黒くて重たい胸にラブジューソーと 刺繍されたドカジャンを脱ぎ捨て、ノースフェイスというメーカーの赤と紫の派手なデザインの 軽いジャンパーに衣替えをして、意気揚々と街を歩いているのだ。 中学校からは吹奏楽部が奏でる心地よい音楽が聞こえ、川沿いの桜並木にはチラホラと ピンクの花が出始め、川では至る所で魚が飛び跳ね波紋を作り、鳥達はピーチク言いながら 楽しそうに地面を突ついている。何かが動き出そうとしているのだ。僕はこの歳になっても 吹けない口笛を、必死に吹こうとしながら、気分よく街を歩き続けている。 遂に春がやって来たのだ。何か楽しい事が起こりそうなこの感じ、何かが楽しい方向に 変わりそうなこの感じ、胸がドキドキするこの感じが大好きだ。僕は唇を尖らせて必死に 口笛を吹こうと努力しながら、川沿いの道を歩いている。 曲は、この時期一番聞きたくなる曲で、尾崎亜美の「マイ・ピュア・レディ」という 名曲である。
「あっ、気持ちが動いてる〜♪たった今、恋をしそ〜う♪」詩も見事だ。
そう、僕にとっての蠢くとはこんな感じなのだろう。

先日、長らく会っていなかった友達のDから夜中に突然連絡があった。Dとは中学校の 時からの付き合いなので、30年来の友達という事になる。
「今、お前の家の近所で飲んでんねんけど、来えへんか?」
「一人で飲んでんのんか?」
「実は、お前の事知ってる人間と飲んでるんや。」
「誰や?」
「来たら分かるから、来いや。」
僕は不安半分、期待半分の気持ちで、Dの誘いに乗る事にした。
待ち合わせ場所に着くと、 Dは僕の方に向かって大きく手を振っていた。
「久しぶりやなあ。7、8年ぶりやろ。元気か?」
「元気じゃ。お前、誰と飲んでんねん?」
「行ったら分かるがな。」
「どこで飲んでんねん?」
「それも行ったらわかるがな。」
Dは喋り方も容姿も変わってはいなかったが、オールバックにした髪半分が白くなっていた。
「お前、何やその頭。ロマンスグレー気取りか?」
「やかましいわ!お前もモミアゲのとこ、白髪だらけやないか。」
40代半ばを越えた僕らは、軽く思い出話をしながら、中学校の頃よく遊びに来ていた 商店街を歩いていた。
「この商店街抜けたとこで飲んでんねん。」
僕はてっきり気の利いた居酒屋で飲んでるのかと思っていたのだが、連れて行かれた所は、 雑居ビルの5階にあるカラオケバーだった。
店に入ると、50歳過ぎと思われるイケイケな 感じのマスターらしき男が大音量で矢沢永吉の歌を熱唱していた。
そして、そのマスターの歌に合わせて、ボックス席に座っている5人組の
若くはない男女が、 大声で一緒に歌ったり、手拍子したりしている。
久しぶりに会ったのに、 これじゃあ思い出話も出来る状態じゃない。
そう思った瞬間、一人の女性が僕に近づいて来たのだった。

「私の事、覚えてる?」何となく見た事はあるのだが、全く思い出せない。
「やっぱり覚えてないやん!冷たい人間やなあ。」
必死に思い出そうとするが、 全く思い出せない。
「誰やったっけ?」
「教えへん!」
女性は既にベロベロのヘベレケである。
「ごめん。顔は覚えてるねんけど、名前が思い出されへん。ヒントだけでもちょうだい!」
「いやや!」
そんな意味のないやり取りが長い間続いた挙げ句、ようやく答が出たのだった。
女性は僕の仕事関係の友達S君の元彼女で、名前はYちゃんという。
10年ぶりの再会であった。 今は二人の子持ちだそうだ。
大音量のカラオケをバックに、僕はDに聞いてみた。
「お前ら、どこでどう知りあってん?」
「この辺で知り合ったんや。しかし、お前とYちゃんが知り合いやとはなあ、ビックリしたわ。」
「この辺て、どの辺やねん?」
「この辺は、この辺や。」
Yちゃんが席を離れたので、話を変えてみた。
「お前、家庭の方は大丈夫なんか?」
「お前はやっぱりアホやなあ。家は家。恋は恋や。」
そんなギリギリの会話をしていると、またYちゃんが僕の横に座った。 そして回らない舌を必死に回しながら、僕に言う。
「なあ、S君元気にしてるん?」
「知らん、最近会うてないし。」
「S君に久しぶりに会いたいわあ。私大好きやったのに!」
「そんなん俺に言われても・・」
「ほんまはS君と今でも会うてるんやろ?」
「ほんまに知らんって。」
「S君に会いたいねん!」
あまりのトンチンカンな訴えに困って知らん顔していると、Yちゃんが突然泣き出した。
「うえん、うえん、何でみんな私に冷たくするのぉ」
「ほんまに知らんねんって!」
すると、Yちゃんの異変に気付いたDが、ボックス席から戻って来て、僕に言った。
「お前、俺のYちゃんに何してん!」
「知らんやん!勝手に泣き出したんやんけ。」
僕は仕方なく、DにS君の事を冷静に説明した。その説明に今度はDが噛み付きだした。
「そんなん、嫉妬するわ!何やそれ!」
「何やそれ!は、こっちのセリフやで。」
そんな僕とDの会話に、次はマスターが絡んできた。
「兄ちゃん、突然来て、Yちゃん泣かして、D君怒らせて、とんでもないで。」
そのマスターのキツい言葉に、僕はどこから説明していいか分からなくなっていると、 ボックス席のお客さんがマスターに矢沢永吉の名曲「ウイスキーコーク」をリクエストした。 すると、マスターは今まで睨んでいた僕の顔からボックス席の方に目を移し、上機嫌で答えた。
「よっし、今日はみんなの為に熱唱させていただきます!
曲は永ちゃんで、ウイスキーコークッ!!」
また大音量でカラオケが始まったのだった。隣を見ると、 さっきまでの出来事がまるで何も無かったかのように、DとYちゃんはイチャイチャと楽しそうに 喋っているのだった。その突拍子もない展開に、ふと我に返った僕は、 改めてアルコールの恐ろしさを思い出したのだった。

「明日早いから、そろそろ帰るわ。」僕が先に帰る事を告げると、Dが雑居ビルの下まで送ってくれた。
「急に呼び出して、すまんかったなあ。」
「また誘ってくれや。」
「お前、俺が中学校の時、好きやった娘の顔覚えてるか?」
「思い出した!N子やろ。そう言えば、Yちゃんにそっくりやなあ。」
「そやろ!俺、始めて会うた時ビックリしたんや。」
「なるほどなあ。お前、N子の事すきやったもんなあ。ほんで、Yちゃんの事は好きなんか?」
「むっちゃ好きや。お前、恋ってええぞ〜!!」
「春やしな。」
「アホか!春も昼も関係ないわ。好きは好きや。」
深夜の雑居ビルの下で、僕らはそんな会話をしてから別れた。帰り道、中学校の頃にDや 仲間達とよく遊びに来た児童公園に寄って、ベンチでタバコを吸った。
公園は昔みたいにブランコや砂場が無くなっていて、ベンチが数台あるだけの
殺風景な感じに なっていたが、桜の木がたくさん植えられていた。
月明かりに照らされた今にも花を咲かせそうな桜を見ながら、
僕はもう春が来るんだなあと思った。


(文:加藤鶴一)


*東日本大震災義援金に関して*

3/17(日)に開催しましたチャリティーイベント
「ONE WORD FOR ONE WORLD2013」に来てくれた
お客様並びに出演者の皆様、本当にありがとうございました!
3/17(日)イベント入場者様から預かった義援金
¥ 1000×33名分= ¥ 33,000は、
ファンダンゴ常設募金箱と合計後に現金を物資に代え て、
4/8~4/9に直接現地に届けさせていただきます。
尚、その 詳細はファンダンゴHPにて、
後日報告させていただきます。
引き続き、宜しくお願いいたします!!

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