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バンド募集

ウルトラ募集

BANK
『今から35年前、世間を騒がせた「三菱銀行人質事件」が
起こった建物。銀行の名前こそ変わったが、建物は当時のままである。
この交差点に立つ と、いろんな事を思い出してしまう。』

※ファンダンゴでは、各日のチケットの電話予約・E-mail予約を
受け付けています。お気軽にお問合せ下さい


吠えろ!ファンダンゴ!!
#166 命あってこその物種



大阪の住吉区に北畠という土地がある。若い人は知らないと思うが、今からさかのぼる事35年前に 凄惨な事件が起こった場所である。
「三菱銀行人質事件」犯人である梅川は強盗目的で 三菱銀行北畠支店に猟銃を持って押し入ったが、逃走できないと判断した梅川は 銀行内にいた客と行員39人を人質にとって、そのまま銀行内に立てこもり、残虐な行為を繰り返した挙げ句、
42時間後に警察官によって射殺された。犯罪史上稀にみる凶悪事件である。
その事件の模様は各テレビ局が 事件収束まで生中継していたので、
当時小学6年生だった僕は事件の行方をドキドキしながらテレビで 見ていたのを
覚えている。

高校生の時に知り合ったK君の家は、あの事件が起こった北畠にあった。
K君と知り合って間もない頃、 僕はK君の単車の後ろに乗せてもらって、K君の家に遊びに行った事があった。K君のお母さんが 出してくれた三ツ矢サイダーを飲みながら、僕らは知り合って間もないお互いの事を探りあう感じで 色々な話をした。
K君が好きな単車の事、好きな女の子のタイプ、学校の事、日が暮れるまで
話題は尽きなかった。 三ツ矢サイダーの空き瓶が8本になって、僕はK君に
「そろそろ帰るわ。」と告げた。 K君は「家まで送って行ったるわ。」と
言ってくれて、僕は再びK君の単車に乗る事になった。
「お邪魔しました!」
「またサイダー飲みに来てね!」
K君のお母さんは優しい言葉で僕を送り出してくれた。
K君の単車置き場に向かう途中の道すがら、僕らはダボダボになった腹をさすりながら、こんな会話をした。
「お前の家、すごい所にあるなあ。だって、あの梅川の事件の銀行って、そこ曲がって真っすぐ行った所やろ。」
「そうや。でも、梅川の事件と俺の家と何の関係もあらへんやんけ。あの事件も俺にとってはええ迷惑やで。」
「あの時、見に行ったんか?」
「そら見に行ったがな。どえらい騒ぎやったで。」
「今から、ちょっと見に行けへんか?」
「お前の家の行き道やから、どうせ通るわいや。」
三菱銀行北畠支店までは、ほんの2分程で到着した。 銀行は事件当時のままの姿で、夜空を背景に不気味な感じでそびえ立っていた。 あの時テレビで見ていたそのままの姿である。
「うわあ、あの時のままやん。」
「そうなんや。ようそのまま使ってるなあ。俺の母ちゃんも気色悪がってるわ。」
「お客さん、来るんかなあ?」「営業してるって事は、お客さんも来てるんやろうなあ。よっしゃ、行こか!」
僕はヘルメットをかぶって、K君の単車に跨がった。単車はハイスピードで国道を南に下っている。 「ちゃんと掴まっとけよ!」K君はそう言って、アクセルを必要以上に回し続けた。
「おい!飛ばし過ぎやで!怖いがな!」
「アホか!これが気持ちええんやないか!しっかり掴まっとけよ!」
僕らは夜空に吸い込まれるような勢いで、国道を南へ南へと突っ走って帰ったのだった。

それからというもの、僕とK君は頻繁に遊ぶようになった。遊ぶと言っても、具体的に何をするでもなく、 お互いの家を行き来したり、もしくは公園やコンビニの前なんかで、他愛もない話をダラダラとしているだけである。 K君はそれをどう思っていたか分からないが、僕にとっては今まで出会った事のなかったタイプであるK君に 面白さを感じていたので、ただ話を聞いているだけでも楽しかった。
そして何よりも、大きな単車を自由自在に 乗り回しているK君がカッコ良く感じていた。そんなこんなしてるうちに、僕が18歳を迎えて、 高校卒業が近づいた頃にK君に相談した事があった。
「単車の免許取るか、車の免許取るか、悩んでんねん。」
「お前は単車に向いてないから、車の免許にしとった方がええんとちゃうか。」
僕も内心そう思っていたので、それからすぐに車の教習所に通いだした。
「教習所はホンマに怖いとこやなあ。怒られてばっかりやで。」
「そんなもん当たり前だのクラッカーやで。何事も我慢や。免許取ったらこっちのもんや。 免許取って、車買うたら、一緒にツーリング行こうぜ。」
「ツーリングって、車と単車でか?」
「そらそうやんけ。」
それから2ヶ月後に、僕は念願の免許証を手に入れた。そして運良く、近所のおっちゃんからボロボロの 乗用車を安くで譲ってもらった。僕はその車を手に入れてからすぐに、北畠にあるK君の家までボロボロの 愛車で出かけた。やっとの思いでK君の家の前まで到着した僕がクラクションを鳴らすと、 K君は喜んで家から飛び出してきた。
「ボロボロやけど、ええ車やなあ。まあ、サイダーでも飲んで帰りいな。」
その日のうちに、僕らはツーリングの予定を決めた。夏が来て、僕らは友達数人と信州まで一泊二日の旅に出た。 車1台と単車2台での旅行である。次から次へと事件が起こる珍道中だったが、僕は初めて自分の車で旅を している実感を噛み締めると、楽しくて楽しくて仕方がなかった。旅の終わりは、K君の家で解散する事になっていた。 僕らはK君の家に到着してからも、この楽しかった旅が終わるのかと思うと、何か寂しい感じがして、なかなか帰れずに 旅の思い出をワーワー話していた。そんな中、K君が旅の終わりを締めくくった。
「秋になったら、またこのメンバーで次は高野山通って和歌山の温泉まで行こうや!今日のところは解散しよ!」
「よっしゃ、約束やで!」その言葉が合図になって、僕らは帰る事になった。
帰り道、僕はガランとした車に一人乗って、K君の家から三菱銀行北畠支店を
右に曲がって、 旅の終わりの寂しさを感じながら、国道を南に下ったのだった。

あの楽しかった信州旅行から一週間程経った日の早朝、一緒に旅行に行っていた
N君から電話があった。
「おい、Kが死んだで。」
「お前、朝から何を言うてんねん。しょうもない嘘をつくな。」
「いや、ほんまやねん。事故や。」
「事故って、何の事故や。」
「単車や。」
K君は、僕らとの約束を守らないで、突然この世から姿を消してしまったのだった。人間て、こんなに簡単に死ぬもんなんか。 そう僕が感じた最初の出来事だった。
あれから30年経った今でも、北畠を通るとK君のあの言葉が生々しく蘇ってくる。 「おい!しっかり掴まっとけよ!」
僕はあれからかなり歳をとったが、K君は若かったあの時のままで、
フッと向こうから単車で走って来そうな気がしてならない。

先日、僕の親友K君から電話がかかってきた。
そのK君の息子であるS君が単車で大きな事故をしたという。
運良く、命には別状がなかったのだが、右足の膝から15cmを残して
切断しなければならないという。 S君とは歳の差が30もあるが、
もうかれこれ10年来の友達である。 彼が事故を起こしてから、
まだ会ってはいないが、今日メールをくれた。 手術も成功して、早ければ3週間後には退院出来るそうである。 本当に良かった。生きていて良かった。
今から大変な事が山ほどあるのだろうけど、命あっての物種である。


(文:加藤鶴一)


*東日本大震災義援金に関して*
ファンダンゴ/村上率いる物資直送チームが、
前回残金とファンダンゴ常設募金箱のお金を
物資に代えて、6/17,6/18の2日間で南相馬、
石巻、気仙沼、大船渡の仮設住宅や保育園に
行ってきました。
その内訳に関しましては、
来月のこのコーナーで報告させていただきます。
募金をして頂いた方、物資を持って来て頂いた方、
色々と協力して頂いた方、
本当にありがとうございました。
今後とも、宜しくお願いいたします!!


『NBC作戦本舗』
『南相馬の託児所「KID'S CLUB」』
『ONE WORD FOR ONE WORLD』
『東北ライブハウス大作戦』

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