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火災後 西口改札
『十三駅前ションベン横丁の大火災から3ヶ月近く経って、
ようやく阪急十三駅西口改札が再開する事になりました。
一見綺麗になったように見える西口改札前の壁1枚隔てた向こう側は、
写真のようにまだ瓦礫が山積みになっている。
商店会の方々は1日でも早い復興を目指して、
毎日必死に動き回っていますが、まだまだ時間がかかりそうです。
これからも皆様の御協力を宜しくお願いいたします。』

※ファンダンゴでは、各日のチケットの電話予約・E-mail予約を
受け付けています。お気軽にお問合せ下さい


吠えろ!ファンダンゴ!!
#177 親父としょんべん横丁



たった一度だけ親父の職場に連れて行ってもらった事があった。
あれは確か小学4年生の時だったと思う。 親父と二人っきりで出かける事なんて、それまで一度もなかったので、あの時の事は今でも鮮明に 僕の記憶の中に残っている。当時の僕にとって、親父は本当に怖い存在だった。
身長180センチ、体重100キロ、筋肉隆々の巨漢で、声もデカい。そんな僕の親父は、 朝早く仕事に出かけて、必ず日付が変わってから帰って来ていたので、あまり顔を会わす 機会がなかったし、たまたま仕事が休みで家に居たとしても、昼間から酒を飲んでいるか、 寝ているかだったので、当時の僕は親父と喋った記憶がほとんどなかった。 そもそもどんな仕事をしているのかもハッキリとは知らなかった。だからこそ、 あの時の事をはっきり覚えているのかもしれない。

何故あんな中途半端な所で待ち合わせしたのかは今でも分からないが、梅田の第1ビルの 一階の大通りに面したカメラ屋の前で親父と待ち合わせをした。
梅雨入りする前の ギラギラとした真夏のような6月の昼下がりだった。親父は開襟シャツの胸元から 流れる汗を大げさにタオルで拭いながら、北新地の方から桜橋の交差点をゆっくりとした 足取りでこっちにやって来た。カメラ屋の前に立って自分の方を見ている僕に気付いた親父は、 ただ「おうっ!」と言って軽く手を挙げただけで、そのまま僕の前を通り過ぎて行った。 僕は人ごみの中を親父からはぐれないように付いて行くのが精一杯だった。 慣れない梅田の奇麗な街並と人の多さに、そして親父の大きな背中を見失ってしまったら どうしようかという不安感に、僕の胸は終始ドキドキしていた。
ようやく阪急梅田駅まで来て、ようやく親父が僕の方を振り返って口を開いた。 「ジュースでも飲むか?」 僕が首を立てに振ると、親父は「あそこの売店でジュースとお菓子でも買って来い。」と言って、 300円くれた。僕は、ジュースは飲みたかったが、お菓子より少年サンデーが欲しかったので、 「なあ、ジュースとサンデーでもええ?」と聞いてみた。 親父は「かめへんから、早く買うてきい。」と言ってくれた。 僕は梅田駅を発車してから西中島南方駅に着くまでの間、親父と喋る事も忘れて、 少年サンデーに夢中になっていた。当時の僕は少年サンデーに掲載されていた 「まことちゃん」というマンガが大好きだったのだ。
駅を降りて、淀川の堤防の方に向かって歩いている途中、親父はそのマンガは
そんなに面白いのかという趣旨の事を聞いてきた。僕は大好きな「まことちゃん」の面白さを 必死に親父に説明するのだが、それを理解しているのかしていないのか、 親父は額から流れる汗を拭いながら、適当に相づちを打って黙々と歩いているだけだった。

駅から15分程歩いた頃、淀川の堤防沿いにある小さなプレハブの建物に着いた。 「これが俺の会社や。中に入って座って待っとき。」
親父はそう言ってから、 バタバタと動き出した。僕は会社というものを、それまではテレビの中でしか 見た事がなかったので、これがあの会社というものなのかと思い、ドキドキしながら そのプレハブの中に入った。
プレハブの中は、テレビで見た明るくて清潔で活気が ある感じの会社とはかけ離れていて、ジメジメしているくせに埃っぽくて、 何よりも殺風景な感じがした。人も親父を含めて4人しかおらず、 たくさんの人がスーツ姿で動き回っているテレビで見る会社とは全く違った。 僕は何だか残念な気持ちがして、その部屋の隅っこにある椅子に座って少年サンデーを 読む事にした。しかし、漫画に熱中しようと努力をしてるのだが、親父がどんな 仕事をしているのかが気になって気になって、どうしても周りをキキョロキョロ してしまうのだった。
電話口で大声で誰かと話していたかと思うと、 2階に上がっては大きな荷物を運んで来て、それを外に停めてあるトラックに積んだり。 大汗を垂らしながら、ドタドタバタバタと動き回っていた。 そんな仕事をしている親父は、家でグダグダしている親父とは全くの別人で、 僕は全く知らないオジさんを見ているような不思議な気分になった。 でも、どこかカッコいい感じがして、あれが僕の親父なんだと思うと、 どこか誇らしい気分がした。
しばらくすると、親父は僕に「すぐ帰ってくるから、おとなしくして待っとけよ。」と言い、 トラックに乗り込んで、みんなで出かけて行った。
誰も居なくなってシーンとした プレハブに残された僕は、サンデーの続きを読んでみたが、どうしても落ち着かなかったので、 淀川の堤防を登って一人で石を蹴って遊んでいた。しばらくして、親父が僕を呼ぶ声がした。 僕が精一杯の大きな声を出して返事すると、親父も堤防を登ってきて 「飯でも食うて、帰ろか。」と言った。

少年サンデーを片手に僕は、陽が傾きかけた淀川の堤防を十三の方に向かって、
親父と並んで歩いた。
「お前は絵描くの好きやし、そんなに漫画が好きやったら、漫画家になったらええやないか。」 「そんなん、まだ分かれへんわ。」 そんな何でもない会話でも、僕は親父と喋ってるだけで照れくさい感じがしていた。
「何が食いたい。」「焼肉がええ。」
僕らは小さな店が所狭しとひしめきあっている狭い路地にある焼肉屋に入った。
親父はビールをゴクゴクと美味しそうに飲みながら、何度も「腹一杯食えよ。」と言っては、 色んなものを注文してくれた。ビールから日本酒に変わった頃、いつも無愛想な親父が 忙しそうな店員を捕まえて、嬉しそうに僕の話をしだした。
「こいつは将来漫画家になるらしいんや。今のうちにサイン貰っときいや。」
僕が恥ずかしくて、下を向いていると、店員は僕に何の漫画が好きかと聞いたので、 僕は「まことちゃん」と答えた。既に酔っぱらってきている親父はそれから僕の事を 「まことちゃん」と呼び続けるのだった。
店員も店員で、帰り際に「まことちゃん、また来てや。」と言いながら、 僕らを送り出す始末である。酔っぱらった親父は面倒臭いので、僕はこれでやっと家に 帰れるのだと喜んだのも束の間、親父は僕に「もう一軒付き合え。」と大きな声で言うのだった。 僕はその焼肉屋の並びにある薄暗い店に連れて行かれた。 木の扉を開けると、着物を着た女の人が4人いて、みんな一斉に 「社長〜、久しぶりやん〜」と言った。 僕は、親父は社長でもないのに、何で社長と呼ばれてるのだろうかと思っていたら、 親父は僕がそれまでに見た事もなかったような嬉しそうな顔をして
「おうっ!まことちゃん連れて来たで〜」と、僕の方を指差して、みんなに紹介したのだった。 それから小1時間程、親父は僕の事など完全に忘れて、狂ったように酒を飲んでは 女の人とイチャイチャしていた。僕はあまりにも面白くなかったので、 親父に帰りたいと告げると、親父は「お前も小学4年生なんやから、もう一人で帰れるやろ。」と 大声で言いながら、店の隅っこに僕を連れて行って、僕の耳元で内緒話をするのだった。
「今日、お前と一緒にこの店に来た事はお母ちゃんには絶対に内緒やぞ。 これは男と男の約束やからな。小遣いやるからな。絶対に内緒やぞ。これで漫画でも買え。」 親父はそう言って、僕に1000円札を2枚手渡した。
その後、僕は着物の女の人と一緒に、細く狭い路地をずっと歩いて、十三駅まで辿り着いたのだった。 駅での別れ際、着物の女の人が僕に「まことちゃん、また来てね」と手を振っていたが、 僕は無性に恥ずかしくなって、手も振らずに別れたのだった。 帰りの電車の中で、少年サンデーを忘れた事に気付いたが、もうそんな事は どうでもいい気持ちになっていた。それよりも、仕事をしている時はカッコ良かったはずの 親父が、母親以外の女の人と仲良さそうに喋っている事の方が、その時の僕にとっては 重要だった。
十三駅前しょんべん横丁には、そんな僕と親父との大切な思い出も埋もれているのだ。
(文:加藤鶴一)


*東日本大震災義援金に関して*
現在ファンダンゴ受付の常設募金箱は、3/7の火災で大きな被害にあった
「十三駅前ションベン横丁復興支援」の募金箱とさせて頂いてます。
尚、バーカウンターに設置の募金箱に関しては、従来通り
「東日本大震災復興支援」に充てさせて頂いてます。
引き続きの御協力を宜しくお願いいたします!


*十三駅前ションベン横丁復興支援に関して*
3/7の大火災から3ヶ月を迎えようとしていますが、
ようやく阪急十三駅西口改札が再開されただけで、
いまだ瓦礫の撤去費用さえ集まっていない状況です。
十三駅前ションベン横丁の復活の為には、
まだまだ皆さんの署名と募金が必要とされています。
どうか御協力を宜しくお願いいたします!!

『十三トミータウン(ションベン横丁)復興の
進捗状況及びネット署名に関して』


『ションベン横丁復活支援Tシャツに関して』






『NBC作戦本舗』
『南相馬の託児所「KID'S CLUB」』
『ONE WORD FOR ONE WORLD』
『東北ライブハウス大作戦』
『夢ママ(岩手県大船渡長沢仮設代表)』

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