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『トキワ温泉は、堺にある家から自転車で5分程走ったところにある小さな銭湯だが、
何と水風呂以外は全て源泉掛け流しである。
常に源泉が流れ出している為、湯温はかなり熱くて、最初はビビるが、
慣れてくるに従って、それが気持ち良くなってくる。
目を閉じて湯船に浸かっていると、まるでどこかの温泉街に旅行に
来たかのような錯覚に陥る事がある。
トキワ温泉と出会って20年ぐらいになるが、その間に何度か休業した事が
あって、その度にヒヤヒヤしたが、営業時間や休業日を変えながらも
何とか 現在も元気に営業中である。』

※ファンダンゴでは、各日のチケットの電話予約・E-mail予約を
受け付けています。お気軽にお問合せ下さい


吠えろ!ファンダンゴ!!
#191 MOTHER



つい先日、父親と母親が二人で暮らしている実家に帰った。実家と言っても、 僕の実家は大阪にあるので、いつでも気軽に帰れる距離にある。 僕の物心がついた時から毎晩のように外で遊んでいた父親が、何年か前から 家に引きこもるようになってからは、月1回は仕事が休みの日に必ず帰るようにしている。
今僕の住んでいる家から実家までは、電車を使ったら30分程で、 自転車になると全速で走っても1時間ちょっとかかるのだが、僕は雨が降らない限りは自転車を使っている。
自転車を使う理由としては、電車賃が高い事で有名な泉北高速鉄道沿いに実家がある為、 交通費を浮かすというセコい理由もあるが、電車と違って自転車なら 気のみ気のまま自由に動けるという壮大な理由もある。僕は毎回コースを変えて、実家に向かう。 それは帰り道も一緒で、今まで通った事のない道をわざわざ選んで走る。それが楽しい。 今まで見た事のなかった街並を見たい、今まで食べた事のない料理屋で飯を食いたい、 今まで入った事のない銭湯に入りたい、今までであった事のない人と出会いたい。 そんな思いが僕をそんな風に動かしているのだろう。

「ただいま。」
「何や、あんた、こんなに暑いのに、また自転車で来たんか?」
「うん。」
「自転車、マンションの下に停めたか?」
「いや、生協の駐輪所に停めてきたわ。」
「アホやなあ、またあんな遠いとこに停めて来たん。ビール飲むか?」
「いらん、お茶でええわ。もう昼ご飯食べたん?」
「食べたわ。いつも言うてるやろ。お父さんは朝8時と昼12時と晩7時に絶対ご飯食べるって。何で12時までに来えへんかったんや。」
「そうやったな。何か残りもんでもええから食べさせてえや。」
「冷蔵庫のもん、適当に食べたらええわ。」
「ありがとう。頂きます。うわっ、いっぱいあるやん。」
「ナスビはちょっと辛いし、肉じゃがは味薄いで。あっ、鮭あるけど、焼いたろか?」
「焼いて。」
「この鮭、ニチイの安もんの方のやつやから、あんまり美味しないと思うで。」
「そんなんかまへんから、焼いてや。」
「すぐ焼いたるから、他のおかず食べとき。」
「お父さんの調子はどうなん?」
「相変わらずやわ。毎日決まった時間にご飯食べて、たまにタバコ買いに外出るだけで、あとはずっとテレビ見てるわ。」
「このナスビ美味いやん。」
「そうかあ。あんた、ご飯食べ終わったら、お父さんと喋ってきい。」
「喋りに行っても、あんまり喜べへんやん。」
「そうでもないって。あんた、鮭焼けたで。」
「ありがとう。ご飯おかわり頂戴、大盛りで。」
「あんた、もう歳も歳やねんから、あんまり食べ過ぎたらアカンで。」
「分かってるって。今日だけやんか。」
「はい、はい。あんた、今日はゆっくり出来るんか?」
「夕方過ぎから用事あるから、飯食ってちょっと休憩したら、帰るわ。」
「愛想なしやなあ。あんた、自転車で来たんやったら、汗かいて気持ち悪いやろ。風呂入って帰り。」
「帰り道に銭湯寄って帰るから、ええわ。」
「あんた、銭湯好きやなあ。家の風呂も銭湯も一緒やろ。湯はすぐ湧くで。」
「銭湯の娘やのに、ようそんな事言うなあ。あ美味しかった。ご馳走さん。」
「銭湯の娘や言うても、あんたが生まれる前までやから、むっちゃ昔の話やんか。」
「でも、オカンの実家はまだ銭湯やってるやん。」
そう言いながら、満腹になった僕はソファーに寝転がった。
「あんた、コーヒー飲むか?インスタントやけど。」
母親は普段父親との会話が少ない為か、よく喋るのである。僕は眠たいのを我慢して、コーヒーを入れてもらう事にした。
「あんた、砂糖とミルクは?」
「どっちもいらん。」
「あんた、ヨーグルトンもあるで。」
「ヨーグルトンやなくて、ヨーグルトやって、昔から言うてるやん。何で直れへんの?」
「私の子供の頃は誰もがそう言うとってん。ヨーグルトンの方が美味しそうやろ。」
「へえ。オカンの子供の時って、石川県の田舎にもヨーグルトあったん?」
「アホか。私は東京生まれやで。」
「ウソやん、石川県やないん?」
僕はその時、母親が生きてきた過程、いわゆる僕のルーツを全然知らなかった事に気付いた。
「東京って言うても、3歳までしかおれへんかったから、全然覚えてへんけどな。」
「ふ〜ん、ちょっとその辺詳しく教えてや。」
「あんたのおじいちゃんもおばあちゃんも石川県生まれでな。おじいちゃんは早よから 出稼ぎで東京出てて、やっと自分の銭湯を持てるようになった頃、 見合いでおばあちゃんと結婚したんや。東京の王子っていうとこで、 そこで私ら兄弟6人が生まれたんや。私が3歳の時にな、おじいちゃんが釜に薪を放り込ん出る時、 薪が爆発して、それでおじいちゃんが死んだんや。買うてきた薪やのに、何でか火薬が混じってたらしいわ。 それで、裁判もしたらしいけど、昭和19年言うたら戦争が激しくなってる時やから、うやむやにされてしもたらしいわ。 当時は手元にお金もそんなに無かったから、その風呂の修理代も無いし、ほんでどうしようもなくなって、 おばあちゃんの田舎に家族全員で帰ったんや。
あの時に石川県に帰れへんかったら、 多分空襲でやられとったから、帰って良かったけど、田舎帰っても貧乏のどん底みたいな生活で、 それもあってか一人弟が死んで、どうにもならんから、大阪で銭湯やってる同郷の人を頼って、 大阪に出てきたんや。それが昭和23年ぐらいやったかなあ。
知り合いの銭湯で下働きさせてもろて、5人の子供育てよ思たら大変やで。おばあちゃんは偉かってんよ。 朝から晩まで働いてな。それから何年かして、ようやく西田辺の小さい銭湯を借りる事が出来て、 そのころには兄ちゃんも姉ちゃんも手伝ってたし、私も薪拾いはようしたわ。 昔は家に風呂無かったから、みんな銭湯通いやんか。忙しかったで。 おばあちゃんなんか、いつ寝てるんかと思ってたもん。
ほんで、やっとの事でお金が出来て、 手に入れたのが今の鶴が丘温泉や。
私は鶴が丘から高校に通わせてもらってた記憶あるから、昭和33年ぐらいちゃうかなあ。 ほんで色々あって、あんたが生まれたんやんか。 その後は、私以外の兄弟はみんな銭湯やってたけどな、あんたも覚えてるやろ、鶴が丘、寝屋川、尼崎、 門真、あとどこやったっけ、でもみんな辞めてしもて、残ってるんは、おばあちゃんが作った鶴が丘だけや。 今の時代やったら難しいからしゃあないけどな。
私も家の風呂の方がええぐらいやからな。」

「あんた、いつまで寝てるねん。もう帰らなアカン時間やろ!」
僕は、その母親の声で目を覚ました。実家からの帰り道、どうしても母親の話が頭から離れないので、 このまま帰れないと思い、以前から気になっていたかなり老舗の銭湯に立ち寄った。 番台の横には、石川県の観光ポスターが何枚か貼ってあった。僕はその愛想の良さそうな番台のオヤジに話しかけた。
「おやっさんは石川県出身ですか?」
オヤジは答えた。「そうやで。兄ちゃんもか?」
「いや、僕の母親方が石川県で、今も大阪市内で銭湯をやってるんです。」
「そうか。もしかしたら知り合いかも知れへんなあ。大阪の銭湯のほとんどが石川県出身やで。 石川県人はな、地元におっても食われへんさかい、長男以外はみんな大阪や東京に出て行かなしゃあなかってん。 だから東京の銭湯も石川県人が多いねんで。あとは、豆腐屋な。 あれも、朝早よから夜遅くまで働かなアカンよって、石川県人は働きもんやから、どこ行っても重宝されたんや。 わし見ても分かるやろ、この歳になってもまだバリバリの現役や。ほら、見てみい。」
オヤジはそう言いながら、力こぶを作って、僕に見せた。 僕はそのオヤジが毎日丁寧に手入れしているであろう湯船に目を閉じて浸かっていると、 僕が生まれる前におばあちゃんが作った鶴が丘温泉で、おばあちゃんの下で銭湯を切り盛りしている 母親の姿が見えたような気がした。そしてその時、僕が今の仕事を始めたのを知った時に、 母親が僕に言った言葉を思い出した。
「あんた、レイジーって知ってるか?バンドやで。レイジーにアキラっておるやろ。あの子、鶴が丘温泉の隣の家の子でな。 私、赤ちゃんの時から可愛がってたんや。今、有名なんやろ。小さい時から男前やったもんなあ。 あんた、音楽の仕事してるんやったら、よう知ってるやろ。今度サイン貰といて。約束やで。」
銭湯を出た僕は、まっすぐ家に帰って、久しぶりにLOUDNESSのレコードを聞いたのだった。
当時の鶴が丘の匂いを感じられた気がしたが、それは気のせいだと思う。
(文:加藤鶴一)


※常設している東日本大震災復興募金箱寄付金に関して※
FANDANGOでは引き続きバーカウンターにて、
東日本大震災復興支援募金箱を設置してますので、
無理の無い範囲でご協力の程、宜しくお願い致します!!

*十三駅前ションベン横丁復興支援に関して*
ションベン横丁復興支援募金と署名が6月末で打ち切りになりましたので、
FANDANGO受付の募金箱は7月1日より、
東日本大震災復興支援募金箱に戻させて頂きます。
尚、復興支援Tシャツに関しましては、
現在の在庫のみの販売となりますので、
ご希望の方はお早めにご購入頂けたらと思います。
復興支援Tシャツと復興状況に関しては、以下のリンクにて確認下さい。
引き続きの御協力を宜しくお願いいたします!!



『十三駅前ションベン横丁復興支援Tシャツ販売 中!!』
『十三トミータ ウン(ションベン横丁)復興の進捗状況』






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