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『岩手県は久慈市のJR久慈駅の近くに「希望」という名のスナックがある。
震災で大切なものをたくさん無くしてしまった澄子ママが経営する店で、
そこでは毎晩のように楽しい宴が繰り広げられている。
写真左の股間を指差して何か言おうとしてるのがミヨちゃんで、今だ現役の海女さんである。
写真右で抱き合ってるのは、大橋巨泉似の色男である三郎さんと美人の澄子ママ。
ミヨちゃんもママも津波で数えきれない程の思い出や宝物を失ったが、
彼女達曰く 「くよくよしてても何も始まらないっぺ。
ワシらは前しか向かれんからよ。ワハハハハッ!」
僕はこの店でいつも力を貰って帰って来る。
「希望」という店名の由来は、希望を持って行きていくの意で、
震災後にこの店名に変えたという。詳しくは文中で。』

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受け付けています。お気軽にお問合せ下さい


吠えろ!ファンダンゴ!!
#195 岩手・久慈「スナック希望にて」



あれは僕が6畳一間だけのアパートに住んでた頃だから、昭和の時代が終わって、 平成に年号が変わったぐらいの頃だったと思う。良ちゃんと出会ったのはその頃で、 最初に会ったのは近所の改心堂という古本屋だった。その当時の僕はしっかりとした 仕事も無かったので、時間があれば改心堂で立ち読みをしていた。その改心堂で 僕と同じように、いつも立ち読みしてたのが良ちゃんだった。異様に長い髪の毛、 ボロボロのシャツ、擦り切れたベルボトム、ペラペラのサンダル、 そのヒッピーのような風貌の良ちゃんは、どこにいても目立っていたので、 お互い全く面識はなかったが、僕が一方的に知っているだけだった。 それがある日、いつものように改心堂で立ち読みしてたら、良ちゃんの方から 突然話しかけてきたのだった。その時にどんな話をしたのか、あまり覚えていないが、 好きな漫画の話をした事だけ覚えている。それからというもの、僕と良ちゃんは 急速に仲良くなった。その強烈な風貌から、最初は年上だとばかり思っていた良ちゃんは、 僕より一つ下の21歳だった。お互い仕事をあまりしてなかったので、お金は無かったが、 時間だけはたっぷりあった。僕らは毎日のように会うようになったが、 特に何をする訳でもなく、アパートで漫画を読んだり、公園でお酒を飲んだり、 ギターを弾いたり、散歩をしたり、その日の気分でブラブラしていた。 僕らは仕事もろくにせずに毎日フラフラしていたが、何の不安もなく、 僕はそんな感じで良ちゃんといるのが楽しくて、このまま一生過ごせたらええなあとも 思っていた。

良ちゃんと頻繁に遊ぶようになって半年ぐらい経った12月の雨の日、僕はいつものように 朝から良ちゃんの家でレコードを聞きながら、週刊誌か何かを読んでゴロゴロしていた。
「何か面白い事ないかなあ?」
「そんな面白い事はあんまりなかよねえ。」
良ちゃんはいつもの九州なまりで僕に言う。
「良ちゃんは将来の事をどう考えてんの?」
「俺は気の向くまま動くのみよ。先の事なんか、考えられんわ。」
僕はまたカッコええ事言ってるなあと思って、何も答えずに、窓ガラスを激しく流れる雨の雫を見ていた。 夕方になって、あんなに降っていた雨が止んだ。
「ちょと気晴らしに外に行かん?」
「そうやなあ。これ以上こんなボロい部屋におったら、頭おかしなるわ。改心堂でも行こや。」
「頭おかしくなるってなんね~。いつも一言多いね~。」
改心堂で良ちゃんが棚から一冊の漫画本を取り出して、僕に手渡した。 その漫画は「まんだら屋の良太」というタイトルで、表紙絵には女性の裸が描かれていた。
「何それ、エロ漫画か?」
「ちゃう、ちゃう、これは日本が世界に誇る名作よ。 それにタイトル見てみ。良太やろ。俺の名前に似とるやろが。」
ふ~んと言いながら、僕がパラパラと本をめくっていると、その横から良ちゃんが 「俺、この漫画だけは全部持っとるから、何やったら、貸したんで。」と言って、 ニコニコしてたので、僕は「そんなに借りて欲しかったら、借りたるわ。」と答えた。
そのまま僕らは、改心堂からの夜道をワイワイと水たまりを飛び越えながら、 良ちゃんのアパートまで帰った。アパートに着くや否や、 良ちゃんは押し入れの天袋を開けたかと思うと、 そこから無造作に床を目がけて漫画本を落とし始めた。
「そんなとこに隠しとったんか。」「大事な本やもんね。」
その夜、僕は押し入れの天袋から降ってきた53冊の「まんだら屋の良太」を、全部借りて帰った。

それからというもの、良ちゃんからの誘いが無い限り、僕は自分の部屋で 「まんだら屋の良太」ばかり読んでいた。舞台は北九州の山奥にある 「まんだら屋」という一軒の温泉宿で、その温泉宿の性への執着が人一倍強い高校生の 良太を中心に、その温泉街の人々や仲間達やそこに訪れた観光客を交えて繰り広げられる 人情物語ではあるが、単なる人情ものに収まらずに、人間の生き方や在り方が底知れず 感じられる作品で、読み進めば、読み進む程、その世界に引き込まれていった。 生々しいまでの性描写なのに何故かいやらしさを感じない感じ、強烈な個性の登場人物全てが 人間らしさを持ってる感じ、物語は現実的なのに全編幻想的な感じに包まれる不思議さ、 絵一つ一つの力強さ、その魅力を書き綴ると切りがないが、僕は今までにこんな 漫画を見た事がなかった。これは作者である畑中純が凄いのだと思って、 全53巻を一気に読んだ後、もっと畑中純の世界を知りたくて、 改心堂をはじめ色々な本屋で畑中純を探したが、まんだら屋の良太以外の作品は どこにも置いてなかった。そんな感じなので、本を良ちゃんには返さずに、 また1巻から読み返したのだった。1回目に読んでる時は、こんな世界は 畑中純の作り出した理想郷で、現実にはありえないと思っていたが、 2回目を読んでいると、これは日本人が忘れてしまった古き良き時代の 日本の情景を描いているのだと思うようになっていた。良ちゃんにその事を伝えると、 良ちゃんは「ツルちゃん、やっと分かったんね。これで大人の仲間入りやね。」と言った。
それから、しばらくした頃、良ちゃんは彼女とインドに旅立った。
「ツルちゃん、俺ら来週インドに発つ事になったんや。」 「えっ、嘘やん。いつ帰って来るん?」
「分からん。気の向くままよ。でも、また必ず連絡するけん。」
それから一年ぐらい経った頃に、良ちゃんから急に連絡があった。
「今から、ツルちゃん家言ってもええか?」
「ええけど、いつ帰ってきたん?」
「そっち行ってから、話すわ。」
久しぶりに会った良ちゃんは、もうヒッピーではなかった。
「どないしたん。そんなカッコして。」
僕がおちょくる感じで言うと、良ちゃんは嫌な顔をして言った。
「別にカッコなんか、どうでもよかろうが。それより、相談があるんや。お金貸してくれん?」
「良ちゃんには色々と世話になったから貸したいのはやまやまやけど、貸す程の金持ってないわ。 ごめんやけど。」「そうかあ。」しばらく沈黙があった後、良ちゃんの口が開いた。
「ツルちゃん、あれまだ持っとる?まんだら屋の良太。」
「全部置いてあるで。」「じゃあ、良太を全部返してくれん?」
「ええけど、金に換えるん?」「しゃあなかろ。」
良ちゃんは、まんだら屋の良太全巻を無理矢理紙袋に詰め込んで、 帰って行った。それ以来、良ちゃんとは一度も会っていない。

先日、岩手県の久慈に行って来た。久慈に行くのは3度目になる。 何故、久慈に行くのかと言うと、 言わずと知れた「あまちゃん(NHK連ドラ)」の舞台だからである。
その久慈に「希望」という名のスナックがある。希望の澄子ママには、前回お邪魔した時も お世話になった。突然立ち寄った得体の知れない大阪の人間に 「お前ら、泊まるとこねえのなら、泊まっていけばいいさ。」と、 言ってしまう程の大きな懐の持ち主である。僕らは、前回の楽しかった希望での 思い出に胸を躍らせながら、希望の扉を開けた。その瞬間、僕らの目に飛び込んで来たのは、 大橋巨泉似のじいさんとべったりとくっつきながらチークを踊っているママと、 その横で自分の股間を指差しながら腰をクネクネさせてハードな踊りをしている年配女性の姿だった。 僕らはその一種異様な状況にたじろぎかけたが、すぐにママは僕らを見るなり 「お~、来たのか~。そこさ座って飲んでけ~。」と嬉しそうに言って、 じいさんに軽くキッスしてから、焼酎の一升瓶を運んで来てくれた。 それから、僕らとママたちとの奇妙な宴が始まった。澄子ママ以外の2人は初対面だったが、 すぐに打ち解けた。腰をくねらせて踊り続けているのがミヨちゃんで、 もう68歳だが現役の海女さんである。大橋巨泉似のじいさんが三郎さんで、 隙あればママやミヨちゃんのオッパイや下半身を触ろうとする。 ママはママで相当酔っぱらっているのか、股を開いては僕たちにパンツを見せたり、 自慢のオッパイを見せたりする。僕らの他にこの3人しかいないのに、 凄い熱量で、まるでどこかの村の祭りに来たかの様だった。 「ここから、お前らが生まれたんだべ!」と言いながら、股間を指差して、 腰ふりダンスを僕らに見せつけるミヨちゃん。「これ吸って、お前らは大きくなったんだべ!」と 言いながら、真っ白い綺麗なオッパイを見せつけるママ。「この世は男と女だけだべ!」と ニヤニヤしながら、ママやミヨちゃんにちょっかいを出す三郎。だが、その3人の行動に 一切いやらしさは感じず、純粋な人間の姿を見ているような気すらしていた。 この世の物とは思えなかったその幻想的な光景に、いつの間にか僕らも自然に溶け込んで、 夜遅くまで皆で楽しく遊んだ。その希望からの帰り道、僕はついさっきまでの情景を 以前に見た事があったのを思い出した。それは正にまんだら屋の良太の世界そのものだった。 まんだら屋の良太で畑中純が描いた世界は、ユートピアや桃源郷ではなく、 やっぱり古き良き日本の原風景だったのだ。
(文:加藤鶴一)


※常設している東日本大震災復興募金箱寄付金に関して※
FANDANGOでは引き続きバーカウンターにて、
東日本大震災復興支援募金箱を設置してますので、
無理の無い範囲でご協力の程、宜しくお願い致します!!

*十三駅前ションベン横丁復興支援に関して*
ションベン横丁復興支援募金と署名が6月末で打ち切りになりましたので、
FANDANGO受付の募金箱は7月1日より、
東日本大震災復興支援募金箱に戻させて頂きます。
尚、復興支援Tシャツに関しましては、
現在の在庫のみの販売となりますので、
ご希望の方はお早めにご購入頂けたらと思います。
復興支援Tシャツと復興状況に関しては、以下のリンクにて確認下さい。
引き続きの御協力を宜しくお願いいたします!!



『十三駅前ションベン横丁復興支援Tシャツ販売 中!!』
『十三トミータ ウン(ションベン横丁)復興の進捗状況』






『NBC作戦本舗』
『南相馬の託児所「KID'S CLUB」』
『ONE WORD FOR ONE WORLD』
『東北ライブハウス大作戦』
『夢ママ(岩手県大船渡長沢仮設代表)』

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